核不拡散ニュース No.0064 2007.08.10
<米印原子力協力協定のテキストの公表について>
米印原子力協力協定の妥結については、<核不拡散ニュースNo.0063>でお伝えしたところであるが、8月3日、米国国務省、インド外務省は、それぞれのホームページにて、米印原子力協力協定のテキストを公表した。協定の主要な内容(別紙1)、論点として考えられる点(別紙2)について添付の通りまとめた。
(情報ソース)
<北朝鮮動向:南北首脳会談、8月28−30日開催決定>
北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記と韓国の盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領が2007年8月28−30日の三日間、南北首脳会談を開くことで合意した。韓国の白鍾天(ペク・ジョンチョン)青瓦台(大統領府)統一外交安保政策室長によると、首脳会談の目的は核問題の解決と南北関係の発展の同時進展を図ることにあり、北朝鮮の核問題と朝鮮半島の平和体制、南北経済交流の三つを主要テーマにする。
今回予定される南北首脳会談は、2000年6月の金正日総書記と韓国の金大中大統領(当時)による朝鮮半島分断後初の歴史的会談から7年ぶりの南北首脳会談となる。前回の南北首脳会談では、主に南北の経済分野での関係強化が成果として挙げられ、それも韓国から北朝鮮への支援の増大という側面が目立った。米国議会調査局(CRS)の議会への報告書によれば、第1回南北首脳会談を機に韓国の北朝鮮関与のための拠出金は急増し、2000年には約7億650万ドルと前年(約3,530万ドル)の約20倍を記録した。また、開城工業団地開発、金剛山観光開発、及び離散家族の再会事業が実現し、食料・肥料を中心にした援助が活発化したのも2000年以降である。このような南北経済交流の活発化の一方で、南北の信頼関係構築という意味では、2000年の首脳会談の効果は疑問視されている。
このような背景から、今回の南北首脳会談が、今年末の韓国大統領選を睨みつつ「包容(太陽)政策」の正当性をアピールしたい盧武鉉政権の政治的思惑に応えるものとなるかどうかは楽観視できない。また、今回の南北首脳会談が朝鮮半島の非核化と平和体制の構築という両輪の動力となりえるかどうか、注目される。
(情報ソース)
- 韓国青瓦台(大統領府)ホームページ:8月8日プレス・ブリーフィング
- 米国議会調査局(CRS)議会への報告書:MarkE.Manyin,“Foreign Assistance to North Korea,”CRS Reportf or Congress, May 26,2005.
【報告:政策調査室 山村】