6月6日〜8日、ドイツ・ハイリゲンダムにおいてG8首脳会議が行われた。同会議は温暖化防止対策を主要議題とし、議長総括では2050年までに温暖化ガスを半減することが発表された。不拡散問題に関しては7日のワーキング・ランチで検討され、合計20項目について発表された。(核不拡散に関する声明の要旨については別添を参照)
昨年ロシアで開催されたサンクトペテルブルク・サミットで発表された不拡散に関する声明と概ね同様の項目を並べているが、今回の声明の特徴としては以下が考えられる。
一つは、NPTレジームが重大な挑戦に直面していることを認めながらも、NPTは核不拡散体制の礎石であることを再確認したことである。昨今、NPTを中心とする現行の核不拡散体制の機能や実効性に懐疑的な声も聞かれる中で、G8が2010年のNPT運用検討会議の成功に向けた協調的な声明を発したことは、NPTの重要性を再確認したものといえる。
また、多国間枠組みの遵守を重視し、国連安保理を最後の番人と位置づけて、様々な条約の締約国への条約遵守又は加盟国へ決議に従うよう主張している表現が多いように見受けられる。これは、国連安保理が種々の決議をイランや北朝鮮に対し採択しているが、実際には問題解決の糸口になっていないことから決議の実効性に陰りが見え始めており、安保理決議の権威と実効性の回復を狙ったものではないかと考えられる。
2004年のシーアイランド・サミット以降、その後一年間、追加的な国(additional states)に対して濃縮・再処理の技術移転を伴う新たなイニシアティブを開始しないことについて合意してきたが、今サミットではそうした文言が削除されたことも特徴である。
別添に記したように、2007年までに輸出基準の策定についてNSGでコンセンサスを得る旨示されたが、実際にはコンセンサスに至らなかったことが、今後1年間の機微技術移転のモラトリアムに関する文言が盛り込まれなかった要因ではないかと考えられる。
昨年ロシアで開催されたサンクトペテルブルク・サミットで発表された不拡散に関する声明と概ね同様の項目を並べているが、今回の声明の特徴としては以下が考えられる。
一つは、NPTレジームが重大な挑戦に直面していることを認めながらも、NPTは核不拡散体制の礎石であることを再確認したことである。昨今、NPTを中心とする現行の核不拡散体制の機能や実効性に懐疑的な声も聞かれる中で、G8が2010年のNPT運用検討会議の成功に向けた協調的な声明を発したことは、NPTの重要性を再確認したものといえる。
また、多国間枠組みの遵守を重視し、国連安保理を最後の番人と位置づけて、様々な条約の締約国への条約遵守又は加盟国へ決議に従うよう主張している表現が多いように見受けられる。これは、国連安保理が種々の決議をイランや北朝鮮に対し採択しているが、実際には問題解決の糸口になっていないことから決議の実効性に陰りが見え始めており、安保理決議の権威と実効性の回復を狙ったものではないかと考えられる。
2004年のシーアイランド・サミット以降、その後一年間、追加的な国(additional states)に対して濃縮・再処理の技術移転を伴う新たなイニシアティブを開始しないことについて合意してきたが、今サミットではそうした文言が削除されたことも特徴である。
別添に記したように、2007年までに輸出基準の策定についてNSGでコンセンサスを得る旨示されたが、実際にはコンセンサスに至らなかったことが、今後1年間の機微技術移転のモラトリアムに関する文言が盛り込まれなかった要因ではないかと考えられる。
【解説:政策調査室 大塚】