ロシア原子力庁キリエンコ長官は、同国のアルガンスク・ウラン濃縮施設に、国際原子力機関(IAEA)の査察を受け入れることを表明した。
日本は、ロシアにウラン濃縮を委託する交渉に入っており、ロシアの核不拡散体制の確立が委託実現の前提となっている。
アルガンスク・ウラン濃縮施設は、プーチン大統領の「国際核燃料センター構想」のサイトに指定されており、ロシア政府は、以前より、同サイトを国際原子力機関(IAEA)の管理下に置くことを表明している。本報道は、日本や他の国のウラン濃縮役務を実施するに当たって、キリエンコ原子力庁長官に、IAEA保障措置を受け入れるとのロシアの立場を再確認したものである。なお、同センターは、IAEAの場を中心に検討されている核燃料の供給保証の議論において、中心的な施設のひとつとなることが予想されており、IAEAも同センターの動向には注目しているところである。
ロシアを含む核兵器国は、NPTを締約している非核兵器国と異なり、フルスコープ保障措置の受け入れ義務はない。核兵器国は、「自発的な保障措置協定」の下で、保障措置の適用対象となる施設リスト(適格施設リスト)をIAEAに提出し、IAEAは、その中から一部の施設のみを保障措置対象施設(「選択施設」)として選び、査察を実施している。ロシアは、複数の施設を適格施設リストに挙げているが、選択施設には10年以上選ばれていないと言われている。
アンガルスクのウラン濃縮施設は、1,000tSWU/年の規模を有する遠心法のウラン濃縮施設であると言われており、通常、非核兵器国の同程度の施設であれば、月1回の査察に加えて、年数回の短期通告査察が行われる。また、隣接するウラン転換施設に対する保障措置も考慮すると、年20回以上の査察業務が必要となる。核兵器を保有している国への保障措置の適用については、費用対効果や実効性を疑問視する意見があり、IAEAにおいて核兵国に対する査察予算を増額する動きは見られない。
アンガルスクの対する保障措置の適用は、現時点では不透明であるが、ロシア政府が、同施設を適格施設にすることは、保障措置適用を前提とした計量管理システムの整備等につながり好ましいことである。また、国際保障措置ばかりでなく、ロシア政府が、信頼性の高い国内保障措置制度を確立することが望まれる。
アルガンスク・ウラン濃縮施設は、プーチン大統領の「国際核燃料センター構想」のサイトに指定されており、ロシア政府は、以前より、同サイトを国際原子力機関(IAEA)の管理下に置くことを表明している。本報道は、日本や他の国のウラン濃縮役務を実施するに当たって、キリエンコ原子力庁長官に、IAEA保障措置を受け入れるとのロシアの立場を再確認したものである。なお、同センターは、IAEAの場を中心に検討されている核燃料の供給保証の議論において、中心的な施設のひとつとなることが予想されており、IAEAも同センターの動向には注目しているところである。
ロシアを含む核兵器国は、NPTを締約している非核兵器国と異なり、フルスコープ保障措置の受け入れ義務はない。核兵器国は、「自発的な保障措置協定」の下で、保障措置の適用対象となる施設リスト(適格施設リスト)をIAEAに提出し、IAEAは、その中から一部の施設のみを保障措置対象施設(「選択施設」)として選び、査察を実施している。ロシアは、複数の施設を適格施設リストに挙げているが、選択施設には10年以上選ばれていないと言われている。
アンガルスクのウラン濃縮施設は、1,000tSWU/年の規模を有する遠心法のウラン濃縮施設であると言われており、通常、非核兵器国の同程度の施設であれば、月1回の査察に加えて、年数回の短期通告査察が行われる。また、隣接するウラン転換施設に対する保障措置も考慮すると、年20回以上の査察業務が必要となる。核兵器を保有している国への保障措置の適用については、費用対効果や実効性を疑問視する意見があり、IAEAにおいて核兵国に対する査察予算を増額する動きは見られない。
アンガルスクの対する保障措置の適用は、現時点では不透明であるが、ロシア政府が、同施設を適格施設にすることは、保障措置適用を前提とした計量管理システムの整備等につながり好ましいことである。また、国際保障措置ばかりでなく、ロシア政府が、信頼性の高い国内保障措置制度を確立することが望まれる。
【解説:技術開発支援室 堀】