国内計量管理制度に係る国際トレーニング
- タイトル
- 国内計量管理制度に係る国際トレーニング
- 開催期間
- 2014年12月1日〜12月12日
- 開催場所
- 核不拡散・核セキュリティ総合支援センター
- 実施形態
- 主催:国際原子力機関(IAEA)
協力:文部科学省(MEXT)、日本原子力研究開発機構(JAEA)
支援:原子力規制委員会(NRA) - 参加者数
- 28名
概要
講義風景
IAEAの査察機器紹介
文部科学省からの補助事業の一環として、国内計量管理制度(SSAC[1])に係る国際トレーニングを、国際原子力機関の主催、文部科学省の協力、原子力規制委員会の支援を得て、全世界の国(少量取扱議定書(Small quantity rotocol)締結国以外の国)の対象とする25カ国[2]から28名の受講者を迎えて実施した。今年はIAEA主催年であり、主催者であるIAEAからの強い要望を受け、日本においては初めて全世界を対象に本トレーニングコースを開催した。
講師はIAEAから8名、NRAから1名及びJAEA職員で実施した。本トレーニングは、核不拡散に対する我が国の取組や経験を生かして、IAEAが実施する国際的な保障措置活動を支援するために、対象国において規制当局や施設者として保障措置の実施に携わる者を対象に、核不拡散体制の基本的な理解と各国における計量管理制度の運用により保障措置の実施に必要となる実務的な知識と技能を提供することを目的に実施したものである。
コースは、
- Module-1
- 国際保障措置(IAEAの要件と法律文書)
- Module-2
- 核物質の計量管理(国あるいは施設レベルでの考慮)
- Module-3
- 追加議定書(IAEAへの申告)
- Module-4
- 国際保障措置(戦略と検認技術)
- Module-5
- 国内計量管理制度 (設計情報)
- Module-6
- 国内計量管理制度の創設と維持
というモジュール構成とし、保障措置を含む核不拡散体制の全体的な枠組み並びに、核兵器不拡散条約(NPT)の下で各国がIAEAと締結する包括的保障措置協定及び同協定への追加議定書で求められる各国からの計量管理報告、施設情報や申告等について、講義及び演習を行なうとともに、IAEAが行なう査察等の各種検認活動について、実際の封印・監視機器の紹介や測定機器等のデモンストレーションも交えた講義を実施した。
また、コースの最後には、上記の講義や演習を通じて学んだことを復習し、包括的な理解を深めるため、仮想の国が核物質の計量管理制度を確立する際に直面する幾つかの課題を想定し、それらに対処するというグループワークを実施した。
上記に平行して、受講者同士の積極的な情報交換を図るべく、コースの各トピックに関連した各国の経験について受講者からの発表の機会を設けるとともに、日本原子力発電株式会社及び原子燃料工業株式会社のご協力を得て、実際の原子力施設を訪問した。
コースの中盤では、核兵器の及ぼす甚大な影響について理解を深めてもらうため、被爆地(長崎市)訪問を一泊二日で実施した。長崎大学 原爆後障害医療研究所における研究内容の紹介をいただくとともに、長崎原爆資料館や国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館の見学、被爆者の方による英語での被爆体験講話など、我が国だからこそ体験できる機会を受講者に提供した。
本トレーニング参加者が、本コースで得た体験や情報を活用し、各々の国の国内計量管理体制を支える一員として活躍いただける事を期待している。また、この場を借りて、このコース実施にご協力いただいた方々に改めて感謝申し上げる次第である。
[1] State Systems of Accounting for and Control of Nuclear Material
[2] アルジェリア民主人民共和国、オーストラリア連邦、ブラジル連邦共和国、エジプト・アラブ共和国、グルジア、ガーナ共和国、ハンガリー、インド共和国、インドネシア共和国、イラン・イスラム共和国、カザフスタン共和国、大韓民国、リビア国、リトアニア共和国、マレーシア、メキシコ合衆国、ニジェール共和国、ルーマニア、ロシア連邦、セルビア共和国、南アフリカ共和国、スウェーデン王国、スイス連邦、タイ王国及び日本