原子力の平和利用と核不拡散に関するセミナー(バングラデシュ)
- タイトル
- 原子力の平和利用と核不拡散に関するセミナー
- 開催期間
- 2014年6月4日〜6月5日
- 開催場所
- バングラデシュ/ダッカ
- 共催
- バングラデシュ原子力委員会(BAEC)
- 参加者数
- 110名
- 概要
ダッカ市内ホテルにおいて、核不拡散・核セキュリティ総合支援センター(ISCN)はバングラデシュ国外務省・科学技術省・原子力委員会他と標記セミナーを開催した。オープニング・セッションには、バングラデシュから外務大臣、同省次官、科学技術大臣、同省次官、原子力委員会委員長他多くの政府高官を含む110名が出席した。その後、実務者に参加者を絞ったワーキング・セッションが行われ、バングラデシュ側からは62名の参加者があった。日本からは、核不拡散・核セキュリティ総合支援センター長、他3名、元IAEA核セキュリティ部長が参加した。
在バングラデシュ日本大使館からは大使が出席し、セミナーのオープニング・セッションにおいて、バングラデシュと我が国との原子力分野での協力関係の進展などを中心に挨拶を行った。また、バングラデシュ国外務大臣・科学技術大臣からは、それぞれの立場から今回のセミナーの開催を歓迎し、原子力分野の人材育成の必要性、原子力政策の正当性等が述べられ、将来の両国の原子力分野での協力の期待が示された。
セミナーでは、今回参加ができなかったIAEAのビデオメッセージが寄せられ、今回のセミナーの意義を示すとともに、今後のIAEA-バングラデシュ相互の協力強化が述べられた。バングラデシュ側の原子力開発計画として、2020/2021までの原子炉2基導入(ロシア契約済み)に加え、さらに2030までに追加の2基(合計4000WM)を導入する計画であることが示された。
核不拡散の規制体制、法体系につき、両国から報告があった。バングラデシュ側は、追加議定書(AP)批准を含め、保障措置、核セキュリティ双方のIAEAとの協定等を概ね満たしており、これを担保する法体系の整備を行っている。
トピックとして、3S(安全、保障措置、セキュリティ)の重要性、福島第1原子力発電所事故の状況、特に最近の状況について解説し、多くの質疑応答があった。さらに、保障措置、核セキュリティの各論 について、両国から状況を報告した。保障措置、核セキュリティの分野において、福島事故のその後の日本の対応について関心が継続していることが伺われた。
総括として、バングラデシュは原子力発電所の建設を目前に控え、法体系等の整備は進めているものの、組織・体制を整備するための十分な人材育成、特に核不拡散・核セキュリティ分野での育成が進んでいるとは言えず、喫緊の課題として認識されたことは今後の両国の協力に有意義であった。