開催趣旨
(独)日本原子力研究開発機構(原子力機構)は、核不拡散に関する一般社会の理解と国際的な議論の促進を目的として、毎年、原子力平和利用と核不拡散に係る国際フォーラムを開催しております。国際フォーラムでは、原子力平和利用と核不拡散に関するその時々の今日的なトピックを取り上げ、種々の課題や方策についての議論を行うとともに、我が国及び原子力機構の核不拡散への取組を紹介しています。
今年度のフォーラムでは、東京電力株式会社福島第一原子力発電所事故(以下、「東電福島第一原子力発電所事故」あるいは「原子力事故」という。)を踏まえ、核燃料サイクルの今後のオプションに関し、核不拡散・核セキュリティをいかに確保していくべきかという点をテーマとして取り上げます。
2011年3月の東電福島第一原子力発電所事故後、我が国のエネルギー政策については見直しが行われており、安倍総理大臣は、2030年代に原発稼働ゼロを可能とするという前政権の方針をゼロベースで見直す意向を表明しました。
他方で、原子力事故を契機として、より厳格な安全基準が採択されるなど、原子力安全が強化されるとともに、使用済燃料の取扱い、高レベル放射性廃棄物の処分及びプルトニウムの取扱いを含む、核燃料サイクルのバックエンドの今後の在り方が、核不拡散・核セキュリティの面も含めクローズアップされることとなりました。
原子力事故により、安全とともに核不拡散・核セキュリティに関する国内外の関心が高まっている中で、今後の核燃料サイクルのバックエンドに関し、いずれのオプション(再処理(クローズドサイクル)又は直接処分(オープンサイクル)) を選択した場合であっても核不拡散・核セキュリティの確保の取組は必要です。この観点から、原子力事故後の国内外の動向を踏まえ、核燃料サイクルのオプションに係る核不拡散・核セキュリティ上の措置について政策的及び技術的観点から議論を行います。
実施概要
- 開催日時:
- 平成25年12月3日(火) 10:00〜17:00、12月4日(水) 9:30〜12:10
- 開催場所:
- 時事通信ホール(東京都中央区銀座5-15-8 時事通信ビル2F)
- http://www.jiji.com/hall/access.html
- 主催:
- (独)日本原子力研究開発機構
- 共催:
- (公財)日本国際問題研究所
- 東京大学大学院工学系研究科
- 入場料:
- 無料(事前申込制)
- 言語:
- 日本語・英語(日英同時通訳有り)
レセプション
フォーラム初日終了後に、講演者及びパネリスト等をお迎えして、会費制のレセプション(立食)を開催致します。
- 会場
- 時事通信ビル 13階 ラウンジ日比谷
- 会費
- 4,000円
プログラム
※プログラムの一部、講演者及びパネル討論参加者については変更となる可能性があります事、ご了承願います。
平成25年12月3日(火) 10:00〜17:00
開会挨拶及び基調講演 10:00〜12:30
開会挨拶
- 松浦 祥次郎 日本原子力研究開発機構理事長
基調講演
- 「東電福島第一原子力発電所事故を踏まえた我が国のエネルギー政策」
- 上田 隆之 経済産業省 資源エネルギー庁長官
- 「核不拡散と核セキュリティを確保するための日本との連携」
- トーマス カントリーマン 米国 国際安全保障・不拡散担当国務次官補
- 「(仮題)フランスの核燃料サイクル政策と核不拡散の国際的な取組」
- フレデリック ジュールネス フランス原子力・代替エネルギー庁(CEA) 企画・渉外局長兼国際局長
(代読:クリストフ グゼリ 在日フランス大使館 原子力参事官) - 「(仮題)原子力平和利用の推進と核不拡散・核セキュリティ確保に果たすべきIAEAの役割」
- テロ ヴァージョランタ 国際原子力機関(IAEA)保障措置担当事務次長
(代読:ディヴィス ハート IAEA東京事務所長)
パネル討論1 14:00〜17:00(途中休憩約30分を含む)
「東電福島第一原子力発電所事故を踏まえた、核燃料サイクルのオプションに係る核不拡散・核セキュリティ方策」
- 座長
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- 遠藤 哲也 日本国際問題研究所 特別研究員、元原子力委員長代理
- パネリスト
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- トーマス カントリーマン 米国 国際安全保障・不拡散担当国務次官補
- ディヴィス ハート IAEA東京事務所長
- クリストフ グゼリ 在日フランス大使館 原子力参事官
- ロバート アインホーン ブルッキングス研究所 上級研究員
- 山名 元 京都大学原子炉実験所教授
- 持地 敏郎 日本原子力研究開発機構 核物質管理科学技術推進部長 兼 核不拡散・核セキュリティ総合支援センター 副センター長
- 討論内容
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- 東電福島第一原子力発電所事故を踏まえ、核燃料サイクルのオプションに係る核不拡散・核セキュリティ確保の方策を議論する
- 東電福島第一原子力発電所事故の原子力利用への影響
- 核燃料サイクルオプションに係る核不拡散・核セキュリティ確保の課題と対応方策
- 核燃料サイクルオプションに係る核不拡散・核セキュリティ上のリスク(短期及び長期)
- オープンサイクル及びクローズドサイクルそれぞれにおける核不拡散・核セキュリティ確保の課題と対応方策
- 東電福島第一原子力発電所事故を踏まえ、核燃料サイクルのオプションに係る核不拡散・核セキュリティ確保の方策を議論する
レセプション 17:30〜19:00
- 於:時事通信ビル 13階 ラウンジ日比谷
平成25年12月4日(水) 9:30〜12:10
パネル討論2 9:30〜12:00
「核燃料サイクルのオプションに係る核不拡散確保のための保障措置や技術的措置の役割」
- 座長
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- 田中 知 東京大学大学院工学系研究科原子力国際専攻教授
- パネリスト
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- ディヴィス ハート IAEA東京事務所長
- クリストフ グゼリ 在日フランス大使館 原子力参事官
- イル ソン ホワン 韓国ソウル国立大学工学部教授
- 安 俊弘(アン ジョンホン) カリフォルニア大学バークレイ校原子力工学科副部長・教授
- 久野 祐輔 日本原子力研究開発機構 核物質管理科学技術推進部次長
- 討論内容
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- 核燃料サイクルのオプションに係る核不拡散確保のための取組を技術的な観点から議論する
- クローズドサイクルとオープンサイクルにおける保障措置技術の役割
- クローズドサイクルに適用される保障措置に対する我が国の対応方策
- オープンサイクルにおける核拡散リスクとその対応方策
- 核不拡散を強化する技術的措置としての核拡散抵抗性向上の取組とプルトニウム燃焼技術等の検討
- 核拡散リスクを低減するための核拡散抵抗性技術の開発への取組
- 核拡散抵抗性技術の意義と課題
- クローズドサイクルとオープンサイクルにおける保障措置技術の役割
- 核燃料サイクルのオプションに係る核不拡散確保のための取組を技術的な観点から議論する
閉会挨拶 12:00〜12:10
- 遠藤 哲也 日本国際問題研究所 特別研究員、元原子力委員長代理
- 田中 知 東京大学大学院工学系研究科原子力国際専攻教授