核物質及び原子力施設の物理的防護に係る地域トレーニングコース
- タイトル
- 核物質及び原子力施設の物理的防護に係る地域トレーニングコース
- 開催期間
- 2013年7月22日 ~ 8月2日
- 開催場所
- 核不拡散・核セキュリティ総合支援センター(ISCN)(東海村)
- 参加者数
- 29名
- 概要
米エネルギー省・サンディア国立研究所(SNL)の協力のもと、「核物質及び施設の物理的防護に係る地域トレーニングコース」を開催した。アジア14か国から規制当局、治安当局等の政府機関、電力事業者、研究機関等29名が参加した。また、韓国の韓国核不拡散・管理院(KINAC)、原子力安全委員会(NSSC)からオブザーバーとして各1名が参加した。
本トレーニングは、原子力施設の防護システム(PPS)の設計要件、PPS設計のための防護機器の基本機能、PPS設計の評価手法を理解し、物理的防護について包括的に学ぶためのコースである。SNLおよび核不拡散・核セキュリティ総合支援センター(ISCN)の講師による講義と、グループ演習によって構成される。グループ演習は講義のすぐ後に行われ、4つのグループに分かれた参加者たちは、熱心に議論を行った。グループ演習は講義内容の理解促進につながったと参加者から好評を得た。
本トレーニングでは、これまでと同様に、バーチャルリアリティ(VR)システム及び核物質防護実習フィールドを使った講義・演習を行った。VRは、3Dの画像を用いて仮想の原子力発電所を構築したトレーニングツールであり、原子力発電所を見たことのない参加者への具体的なイメージ認識に貢献している。また核物質防護実習フィールドには、センサーやフェンス、カメラ、警報評価システム等の実機を配備しており、機器の基本機能や設計上の考慮事項等の理解促進に役立ったと非常に好評であった。最終演習では、参加者たちは2週間のトレーニングを通じて学んだ内容・得た情報を用いて仮想施設の物理的防護システムを設計・評価し、グループ毎に発表した。
トレーニング期間中、参加者たちは広島の平和記念資料館や放射線影響研究所を訪れるとともに原爆死没者慰霊碑に献花を行った。また、被爆者の体験を聞く事で、原子力の平和利用の重要性も学ぶことができたとのコメントが多く寄せられた。