幌延深地層研究センター

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研究内容紹介 -研究について-

地下深部の地質環境を明らかにする調査研究や、地層処分技術の実用化に必要な研究開発を進めていきます。

 幌延深地層研究センターで行う高レベル放射性廃棄物の地層処分技術に関する研究開発は、地球科学の幅広い分野にわたるものであり、学術研究などにも広く寄与するものです。
 研究を進めるにあたり、研究実施区域に研究期間中はもとより研究終了後にも放射性廃棄物を持込むこと、使用することはありません。深地層の研究施設を最終処分の実施主体に譲渡したり貸与することはなく、研究終了後は研究施設を閉鎖し、地下施設を埋め戻します。

 研究実施区域は将来とも放射性廃棄物の最終処分場とはせず、幌延町に放射性廃棄物の中間貯蔵施設を設置することはありません。

幌延深地層研究計画について

 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構が、北海道幌延町で実施している幌延深地層研究計画は、平成17年10月の「原子力政策大綱」に示された「深地層の研究施設」を活用した計画の1つであり、堆積岩を対象に深地層の研究を行うものです。

■地層科学研究
 地下はどうなっているのか∞なぜそんな仕組みになっているのか≠サして将来はどうなるのか≠明らかにする研究。地下水や岩盤などの性質を調べることを通じ、地下深部の地質環境を把握するための技術開発を行い、地層処分研究開発の基盤とします。

■地層処分研究開発
 実際に地下深部で、処分システムの設計・施工が可能かどうかを確認。工学的技術はもちろんのこと、研究の成果をそのつどモデルに反映させて、安全性を評価する技術の信頼性を高める研究もしています。

この2つのテーマに加え、地下空間を利用する様々な研究のために施設を提供していきます。

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研究調査のスケジュールについて

「地上からの調査研究段階(第1段階)」
「坑道掘削(地下施設建設)時の調査研究段階(第2段階)」
「地下施設での調査研究段階(第3段階)」

と調査研究は3つの段階に分けてすすめています。
調査研究の期間は20年程度を考えています。

研究・調査の工程表
調査→予測→検証
 「調査→予測→検証(確認)」のステップを基本に、調査手法や解析手法の改良と、本当にそれで良いのかの検証(確認)しながら進めていきます。
露頭調査の様子

露頭調査の様子

■地上からの調査研究段階(第1段階)
 空中や地上から磁気や電流などを使って地下深部の様子を調べる物理探査や試錐調査によるサンプルの採取など広域的な調査を実施。得られたデータをもとに、地下深部の地下水や岩盤の様子がどうなっているのかを予測します。
坑道壁面の地質観察の様子

坑道壁面の地質観察の様子

■坑道掘削(地下施設建設)時の調査研究段階(第2段階)
 実際に地下に坑道を掘り進みながら、地上からの調査研究で立てた予測を確認し、調査手法や解析評価手法の妥当性を検討します。
 また、坑道を掘削することに伴う影響とその範囲なども調査します。
人工バリア性能確認試験模擬オーバーパック定置の様子

人工バリア性能確認試験
模擬オーバーパック定置の様子

■地下施設での調査研究段階(第3段階)
 地下に掘削した坑道の中で精密な物理探査や試錐調査などを行い、坑道周辺の地層、地下水の性質、地震への影響などの長期的変化を調べます。
 また、処分システムの設計・建設に関する技術や坑道を密閉する技術の開発も行います。

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必須の課題について

原子力機構では、「日本原子力研究開発機構の改革計画 自己改革-「新生」へのみち-」(平成25年9月26日)に基づいた事業の見直しの一環として、瑞浪と幌延の2つの深地層の研究施設について、第2期中期計画期間(平成22年4月1日〜平成27年3月31日)の成果の取りまとめを前倒しして行うとともに、深地層の研究施設で行うべき残された必須の課題を明確にした今後の計画の策定を行い、「日本原子力研究開発機構の改革計画に基づく「地層処分技術に関する研究開発」報告書−今後の研究課題について−」を取りまとめ、平成26年9月30日に公表しました。
 この中で、第2期中期計画期間の成果については、地質環境の初期状態を把握するための調査技術や地下深部に安全に坑道を掘削する技術などを整備し、インターネット上の報告書(CoolRep)として取りまとめました。また、これらの成果および国における議論などを踏まえ、今後、幌延深地層研究センターで実施すべき必須の課題として、以下の3つの課題を抽出しました。

■実際の地質環境における人工バリアの適用性確認
 幌延深地層研究計画の第3段階における調査研究のひとつとして、平成26年度から深度350m調査坑道で実施している人工バリア性能確認試験オーバーパック腐食試験および原位置トレーサー試験を通して、実際の地質環境において人工バリアや周辺岩盤中での熱−水理−力学−化学連成挙動*や物質移行現象などを計測・評価する技術の適用性を確認し、地層処分事業における精密調査段階の後半に必要となる技術基盤を確立します。

*:地下環境に設置された廃棄体の周辺の緩衝材や岩盤には廃棄体からの熱、地下水との反応、岩盤から(または岩盤へ)作用する応力、化学的な変化などによる影響が懸念されています。実際の処分環境では、これらの影響が複合的に発生すると考えられ、その挙動を、熱−水理−力学−化学連成挙動と呼んでいます。

■処分概念オプションの実証
 人工バリアの設置環境の地質環境条件や深度依存性を考慮しつつ、種々の処分概念オプションの工学的実現性を実証することを通じて、多様な地質環境条件に対して柔軟な処分場設計を行うことを支援する技術オプションを整備、提供します。そのため、実際の処分事業の進展状況や国の方針を見極めながら、処分孔の湧水対策・支保技術などの実証試験や人工バリアの定置・品質確認などの実証試験および高温度(100℃以上)などの限界的条件下での人工バリア性能確認試験などを行う予定です。

■地殻変動に対する堆積岩の緩衝能力の検証
 堆積岩が有する地震・断層活動などの地殻変動に対する力学的・水理学的な緩衝能力を評価し、堆積岩地域における立地選定や処分場の設計を、より科学的・合理的に行うための技術と知見を整備します。

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