安全評価

安全評価

「ふげん」の廃止措置計画策定に当たっては、解体工事期間中の気体廃棄物及び液体廃棄物放出による平常時の公衆の実効線量評価やスカイシャイン線量※1)評価と、想定した事故事象の公衆の実効線量評価を検討することにより、廃止措置の安全性を評価しています。
実効線量等の評価は、主に以下の点を考慮して評価しています。
評価に用いる放射能量は、廃止措置工程にかかわらず、一律原子炉運転停止後4.5年の値を使
 用して保守的に評価
想定されるすべての被ばく経路を考慮して保守的に評価
すべての解体作業が1年間で行われると仮定して被ばく線量を保守的に評価

安全評価の概略を以下に示します。

原子炉本体解体技術 画像1

なお、評価結果は以下のとおりです。

(1)平常時における周辺公衆の被ばく評価

▶放射性気体廃棄物及び放射性液体廃棄物に起因する一般公衆の受ける実効線量は、法令に定める線量限度1mSv/yを下回ることはもとより、原子力安全委員会指針に記載する線量目標値50μSv/yを下回る結果となりました。

▶直接線及びスカイシャイン線による敷地境界における空間放射線量は原子力安全委員会指針に記載する線量の基準値50μGy/yを十分下回る結果となりました。

▶放射線業務従事者の総被ばく線量は原子炉運転中の定期検査時の総被ばく線量とほぼ同等の結果となりました。

(2)事故時における周辺公衆の被ばく評価

▶最も放射能レベルの高い原子炉本体解体時における汚染防止囲いの局所フィルタ破損事故を想定した場合の実効線量は、原子力安全委員会指針に記載する基準値5mSvを十分下回る結果となり、周辺公衆に対し著しい放射線のリスクを与えないことを確認しました。

※1) スカイシャイン線量は、遮へい厚の薄い建屋コンクリートから透過した放射線が上空の空気中の物質と散乱し、地上に降り注ぐ放射線の量であり、建屋から離れた位置で最大となる。