新型転換炉ふげん発電所の第17回定期検査の開始について
(平成13年度計画停止作業の終了)
新型転換炉ふげん発電所(新型転換炉原型炉:定格電気出力16.5万kW)は、アニュラス部ヘリウム循環系戻り配管の点検調査のために、定格出力運転中の平成13年5月24日に原子炉を手動停止し、6月13日より、平成13年度の計画停止作業を実施していましたが、平成14年1月6日にこれを終了し、引き続き1月7日より約4ヶ月の予定で、下記のとおり第17回定期検査を実施します。
- 1.定期検査期間
- 約4ヶ月(定期検査開始〜作業終了まで)
- 2.主要作業<
- (1)原子炉本体の点検
- (2)核燃料物質の取扱施設及び貯蔵施設の点検
- (3)原子炉冷却系統施設の点検
- (4)原子炉補助系統施設の点検
- (5)計測制御系統施設の点検
- (6)放射性廃棄物の廃棄施設の点検
- (7)放射線管理施設の点検
- (8)原子炉格納施設の点検
- (9)非常用電源設備の点検
- (10)蒸気タービンの点検
- (11)電気設備の点検
- 3.主要改造工事等
- (1)ヘリウム循環系配管取替工事
平成13年5月23日に発生した「ヘリウム循環系戻り配管からのトリチウム漏えい」の原因調査等を、平成13年度計画停止作業においても実施していましたが、原因と対策が取りまとめられたことから、12月21日より原因調査結果に基づき、以下の配管取替等の対策工事を実施しています。
対策工事は第17回定期検査においても引き続き実施します。
[1]点検・調査にて損傷が判明した配管について、耐応力腐食割れ性に優れたSUS316L材に取替えます。
[2]ヘリウム戻り配管に設置されていた配管ヒータ及び保温を撤去し、配管内に溜まる凝縮水を排水するために、配管ドレンラインの改造を行います。
- (2)シールプラグ取替工事
定期検査中に行う圧力管集合体供用期間中検査等のため、炉心から取出されるシールプラグ9体を、同一仕様の予備品と取替えます。- (3)局部出力検出装置取替工事
原子炉運転時の出力状況を監視するために設置している局部出力検出装置集合体を、信頼性維持の観点から16体のうち1体を取り替えます。
- (4)制御棒駆動装置取替工事
制御棒駆動装置9基の分解点検を行います。このうち6基を、作業工程の短縮を図るため、同一仕様の予備品と取り替えます。
- (5)プロセス放射線監視装置の変更工事
放射線管理設備のうち、以下のプロセス放射線監視装置を予防保全の観点及び計測単位のSI化を図るため、モニタの更新を行います。
- 復水貯蔵タンク/プール水貯蔵タンクドレンサンプ水モニタ
- エリア放射線監視装置の中性子エリアモニタ/γ線エリアモニタ
- 原子炉建屋サンプリングガスモニタ/ダストモニタ
- タービン建屋サンプリングダストモニタ
- 4.蓄積放射能量の調査(平成10年度計画停止時から継続)
平成13年度計画停止時において、「ふげん」の廃止措置準備として構造物に含まれる放射能量を評価するために、第16回定期検査時に原子炉廻りに設置した金属箔を回収する計画でしたが、ヘリウム循環系配管のトリチウム漏えい原因調査作業により、金属箔設置箇所が高線量区域となったため、回収は実施しませんでした。
金属箔の設置については、65箇所に設置する予定としていましたが、計画停止に引き続き第17回定期検査を実施することから、定期検査終了直前に設置することとしました。
また、計画停止時においてコンクリート中に含まれるトリチウム量等の測定のため、原子炉建屋地下2階の床及び壁、原子炉建屋6階階段室壁の3箇所のボーリングサンプルを回収しました。
第17回定期検査においても、原子炉格納容器及びタービン建屋の壁及び床のコンクリートボーリングサンプルを採取します。
- 5.燃料取替計画
平成13年度計画停止作業にて、燃料集合体 224体のうち、40体を新燃料集合体(うち混合酸化物燃料集合体22体)に取り替えました。
このため、今定期検査での燃料取替はありません。
- 6.運転開始予定
原子炉起動・臨界:平成14年4月上旬
発電再開(調整運転開始):4月上旬
定期検査終了(本格運転再開):5月上旬
図−1:ヘリウム循環系配管取替工事概要
図−2:プロセス放射線監視装置の変更工事概要
図−3:蓄積放射線量の調査概要図(第17回定期検査時)
以 上