所長ごあいさつ

新型転換炉原型炉ふげん 所長  水井 宏之

平素、日本原子力研究開発機構 敦賀廃止措置実証部門 新型転換炉原型炉ふげんの業務に関し、多大なご理解とご支援を賜り誠にありがとうございます。

 

新型転換炉原型炉ふげんは、2008年に廃止措置計画の認可を頂き、安全確保を最優先とし、環境への負荷をできる限り軽減して廃止措置を進める等の基本方針のもと、国内初の大型水炉の廃止措置プロジェクトを開始しました。 この中では、重水系の汚染の除去やタービン関連設備の解体撤去を進めてきており、また、2018年度からは、廃止措置計画の第2段階となる「原子炉周辺設備解体撤去期間」として、原子炉建屋内で配管・機器類の解体撤去等に取り組んでいるところです。

さらに、発生した解体撤去物のうち、「放射性廃棄物として扱う必要のないもの」の再生利用を目指したクリアランス制度の運用も進めています。この中では、地元の皆様のご支援も賜りながら、国や地元自治体のプロジェクトにも積極的に参画し、クリアランス物からの再生利用品を社内施設や関係先の施設へ展示する等、資源の有効活用を見据えた取り組みも進めています。

 

さて、次のステップとなる廃止措置計画の第3段階で実施する原子炉本体の解体に向けて、安全性をより高めるための工法実現に向けた遠隔溶接や検査技術の開発を進めるとともに、レーザー切断工法を含めた遠隔・水中解体技術をより確実なものにするため、解体装置の設計や解体手順の検証を進めています。

 

また、「ふげん」で貯蔵している使用済燃料体については、輸送容器の構成部品の寸法を変更する等の必要が生じたため、仏国への搬出終了時期を2031年に変更いたしました。

この見直した計画に基づき、輸送容器の国内搬入やそのための施設・設備の整備等を着実に進め、2027年度からの搬出開始に向けた諸準備を進めてまいります。

 

これらの事業をより着実に進めるため、地元企業や大学等の研究機関、電気事業者、海外関係機関とも連携・協力するとともに、得られた知見は今後の軽水炉等の廃止措置にも役立てて頂けるよう、情報の発信・共有にも努めてまいります。

私ども所員一同は、立地地域や国民の皆様のご理解を賜りながら、安全で安心していただける廃止措置プロジェクトの実証を目指し、緊張感をもって取り組んでまいりますので、引き続きよろしくお願い致します

 

 

新型転換炉原型炉ふげん 所長  水井 宏之