2020年度 日本原子力学会 材料部会 若手優秀賞を受賞

材料・構造安全研究ディビジョンの高見澤悠研究員は、一般社団法人日本原子力学会材料部会において、「原子炉圧力容器鋼の照射脆化評価における最新のベイズ統計による新たな取組」が卓越した業績であると認められ、「若手優秀賞」を受賞しました。この賞は原子力材料分野の研究・開発において積極的かつ優れた活動を行い、研究・技術開発等の成果を学術雑誌、国際会議、または日本原子力学会の大会等で発表をしている者のうち、特に将来の活躍が期待される若手研究者に贈られるものです。

下記の照射脆化評価の信頼性向上に係る独創的な研究及びその成果のみならず、学協会活動や規制支援活動への積極的な貢献が認められ、今回の受賞に至りました。

研究開発の概要

安全上最も重要な原子炉圧力容器の構造健全性評価において、中性子照射脆化の評価手法の信頼性向上は極めて重要です。受賞者は、原子炉圧力容器鋼の照射脆化という材料研究に機械学習を用いたベイズ統計手法を新たに取り入れ、国内の照射脆化データを緻密に分析することにより、従来手法では確認できなかった因子(Si含有量)が脆化に寄与することを明らかにしました。その統計解析により脆化への寄与が示唆された因子の裏付けを得るため、3次元アトムプローブによる微細組織分析も自ら実施しました。

受賞した髙見澤 悠 研究員