日本混相流学会 2017年度 論文賞を受賞

2018年8月9日、安全研究センターの中村 秀夫 特命嘱託、他2名は、“大ロ径流路内気液ニ相流の流動機構解明に関する研究”について顕著な業績が認められ、日本混相流学会の2017年度『論文賞』を受賞しました。

大口径流路内気液二相流の流動機構の基礎的な理解は、原子力工学、機械工学、化学工学、石油工学等、様々な分野の機器設計において非常に重要な研究課題となっています。当該流動挙動の特異性・複雑性は既に知られていましたが、その基礎流動機構解明のための系統的な研究は、必ずしも十分になされていませんでした。

受賞者らは、大ロ径流路内気液二相流の流動様式および流動機構について実験での詳細な計測などから支配因子を究明し、流動様式の遷移過程を表現する数理モデルの開発と検証を通じて、二相流解析の高度化を実現しました。本研究成果は、原子炉や化学プラントの今後の設計改善や安全性向上に大きく貢献することが期待されます。

受賞対象となった論文

  1. X.Shen,J.P.Schlegel,T.Hibiki,H.Nakamura,Multi-dimensional gas-liquid two-phase flow in vertical large-diameter channels,Proceeding of the 11th Japan-U.S.Seminar on Two-Phase Flow Dynamics at Sapporo,Hokkaido,Japan,June 22-24, 2017.
  2. X.Shen,T.Hibiki,H.Nakamura,Bubbly-to-Cap Bubbly Flow Transition in a Long-26 m Vertical Large Diameter Pipe at Low Liquid Flow Rate,International Journal of Heat and Fluid Flow,vol.52,140-155(2015).
受賞した中村 秀夫 特命嘱託（写真中央）