米国機械学会 圧力容器及び配管の国際会議で最優秀論文賞を受賞

2018年7月17日にチェコ共和国で開催された米国機械学会(ASME)による圧力容器および配管の国際会議(Pressure Vessels & Piping Conference = PVP)で、構造健全性評価研究グループの前外来研究員である東 喜三郎(あずま・きさぶろう)さんが基準規格部門の最優秀論文賞を受賞しました。

東さんは原子力規制委員会原子力規制庁技術基盤グループの職員であり、平成26年10月1日至平成29年3月31日の期間で、当機構の外来研究員制度を活用し、構造健全性評価研究グループで研究を行いました。今回の受賞内容は外来研究員としての研究成果をとりまとめたものです。

今回受賞した賞は、2017年のPVP会議の各部門で最も優秀と認められた論文の筆頭著者に授与されるものです。受賞論文のタイトルは「Closed-form stress intensity factor solutions for deep surface cracks in plates(平板中の深い表面亀裂の応力拡大係数の閉形式解)」です。

なお、今回の受賞については、原子力規制委員会のHPでも掲載されております

原子力規制委員会

受賞論文の概要

  • 地震等の繰り返し荷重による疲労亀裂進展や応力腐食割れによる亀裂進展評価には、破壊力学パラメータである応力拡大係数 K が用いられる。応力拡大係数Kの値は亀裂の形状によって変化するため、形状に応じて応力拡大係数Kを精度良く評価することが重要である。
  • 本論文では、配管等の溶接部で発生することが報告されている高アスペクト比(長さよりも深さが大きい)表面亀裂に着目し、高アスペクト比の半楕円表面亀裂の応力拡大係数Kを精度良く評価するための近似式を考案した。本手法により、高アスペクト比の表面亀裂について、亀裂形状が応力拡大係数 K に与える影響を定量的に評価することができる。

米国機械学会論文集(ASME Proceedings)