廃棄物安全研究グループ

概要

  • 放射性廃棄物の保管・処分の安全規制を支援するため、廃棄体、金属容器、緩衝材等のバリア機能材料の特性データの取得、安全評価手法の開発を行っています。
  • バリア機能材料内/材料間の物質移動、拘束条件下での溶液科学など安全の根拠となる現象について、仏IRSNと協力しながら、実験と理論の両面から解明を図っています。
  • 核種移行解析結果の感度解析や、人工バリア長期変遷解析とのリンクを通じて、重要度を確認しながら研究を行っています。

研究内容

放射性廃棄物の処分場の設計では、放射能をできるだけ長い期間閉じこめるべく固化体や人工バリア材について検討されます。一方、遠い将来に亘って廃棄体や処分場の健全性を期待するのではなく、劣化によって放射性物質が漏出し地下水中へ混入・移動する場合を想定して、人間への放射線による被ばくの影響の評価が行われます。これを安全評価といいます。

安全評価手法

評価期間が数千年以上の長期に及ぶ安全評価のためには、評価の考え方の確立、評価手法の開発とともに、評価に用いるための信頼性の高いデータが必要となります。当研究グループでは、実験的に、固化体の耐久性、放射性物質と土壌、岩石および人工バリア材料との反応、地下水中における炭素鋼、緩衝材、セメントの化学的、物理的な性質の変化などを解明するための研究を環境シミュレーション試験棟(STEM)や核燃料サイクル安全工学研究棟(NUCEF)等の施設において行ってきました。

最新の研究概要:緩衝材

緩衝材の長期的なアルカリ溶解挙動を明らかにするため、ベントナイトの主成分であるモンモリロナイトのみを用いた溶解試験を実施しました。

モンモリロナイト密度の経時変化
モンモリロナイト密度の経時変化
(モンモリロナイト圧縮体の溶解試験)
モンモリロナイト圧縮体とベントナイト圧縮体の溶解速度の比較
モンモリロナイト圧縮体とベントナイト圧縮体の溶解速度の比較

最新の研究概要:炭素鋼オーバーパック

炭素鋼腐食挙動と緩衝材中の化学・鉱物変化を明らかにするため、腐食試験と得られたサンプルの分析を実施しています。

炭素鋼オーバーパック

最新の研究概要:人工バリア長期変遷解析

ベントナイトの化学的変質のモデル化に必要な要素

  1. アルカリ性地下水の発生
    • セメント系材料と地下水の化学反応
    • セメント系材料中の間隙水中物質の移行挙動
  2. アルカリ性地下水のベントナイトへの影響
    • ベントナイトとアルカリ成分との化学反応
    • ベントナイト間隙中のアルカリ成分の移行挙動
    • ベントナイトの透水性の劣化挙動

物質の移行

物質移行と化学反応とを並行させて計算(連成解析)する必要があるため、以下のようなフローで解析するコードを作成しています。

MC-BUFFER

最新の研究概要:解析コードの検証

仏IRSNで取得された15年間に及ぶコンクリート?粘土反応のデータを用いて、我々が開発した粘土変質モデルの妥当性を確認しています。

解析コードの検証

最新の研究概要:核種移行データ(収着)

比放射能が大きいPu-238を用いて処分環境下で安定なアクチニド+IV価の岩石への収着に関する評価を行っています。

収着分配係数
Puと岩石の収着分配係数(Kd)と炭酸イオン濃度の関係

最新の研究概要:核種移行データ(拡散)

処分環境の変動にともない変化する、核種の拡散挙動を評価するための検討を行っています。

拡散

最新の研究概要:核種移行データ(ガラス溶解)

処分環境でガラス固化体が速く溶解してしまう条件とそのメカニズムを明らかにするための検討を行っています。

ガラス溶解

参考資料

  1. 放射性廃棄物の処分と安全研究<PDF>
  2. 放射性廃棄物処分の長期的評価のための実験的研究<PDF>
  3. 環境シミュレーション試験棟:STEM<PDF>
  4. NUCEF:BECKY実験室VIIIにおけるアルゴンガス循環型グローブボックス設備<PDF>
  5. 核種移行データ取得に用いる主な試験装置及び機器

ページTOP