熱水力安全研究グループ

原子炉事故時の熱流動や伝熱現象に関連した安全研究の分野を熱水力安全研究と呼んでいます。本研究グループでは、国が行う安全規制に対する技術支援や、より長期的な視点で評価手法の高度化等を行うことを目的とし、シビアアクシデント(炉心損傷事故)を含む軽水炉の事故時の熱水力現象の工学的把握、事象進展の評価、炉心損傷防止策や損傷後の影響緩和策の有効性等について、実験と解析に基づく研究を行っています。当グループでは、実験と解析を有機的に関連づけ研究を進めており、その構成を図1に示します。図1中の総合効果実験は、原子炉や格納容器を模擬する大型の模擬装置を用いて、事故時に生じる種々の現象を総合的に検討するための実験です。また、個別効果実験は、ある現象に着目し、その現象の工学的把握や予測モデルの整備を狙いとする実験です。これらで得られた実験結果は、解析コードの評価や改良に用いられるとともに、総合効果実験の条件設定等に役立てます。

現在、表1に示すような3項目の研究を実施しています。ROSA-V計画では、世界最大規模のPWR模擬装置LSTFを用いた総合実験を中心とした研究を行っています。ここでROSA計画は大型熱水力装置を用いた総合効果実験を中心とする安全研究のプロジェクト名で、旧原研時代より、研究課題を変えつつ、数十年にわたり、実施しています。現在は、シビアアクシデントの防止のためのアクシデントマネジメント策に関する研究を行っています。ROSA-SA計画は、シビアアクシデント時の格納容器内の熱水力挙動を把握するため研究計画で、福島第一原発事故を踏まえ平成25年度より開始しました。この計画では、現在、大型格納容器実験装置の整備、並びに、種々の個別効果実験を行っています。さらに、原子炉事故時の炉心伝熱や二相流現象に着目した原子炉熱流動研究を継続的に実施しております。 安全規制へのタイムリーな支援や情報提供を行うため、シビアアクシデントを含む軽水炉の事故・異常過渡の原因や関連する熱水力現象の解明、影響の評価、発生防止策や影響緩和策の提案について、原子力安全委員会が策定する重点安全研究計画に基づいた研究を行っています。


図1 熱水力安全研究の構成

表1 熱水力安全研究グループの研究内容

列-A
ROSA-V計画 PWRのシビアアクシデント防止のためのアクシデントマネジメントに関する研究
ROSA-SA計画 シビアアクシデント時の格納容器内熱水力挙動に関する研究
原子炉熱流動研究 原子炉事故時の炉心熱伝達や二相伝熱現象のスケーリング効果等、本研究グループで継続的に実施してきた研究

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