臨界安全研究グループ

我が国では、使用済燃料を含む核燃料物質を既に大量に保有しており、安全に管理する必要があります。そして、それらの核分裂性物質を取り扱う場合には、適切な臨界安全管理及びその安全規制が必要になります。

効率的な臨界安全管理を実現するためには、精度の高い臨界解析により合理的な安全裕度を設定しなければなりません。その典型的な例が、燃料の燃焼に伴う反応度低下を臨界評価において考慮する燃焼度クレジットの導入です。本質的な研究の必要性は、安全裕度が明確でない場合に発生します。福島第一原子力発電所(1F)事故の炉心溶融で生じた燃料デブリの臨界安全管理は、まさしくこれに該当します。当研究グループでは、以下の研究を進めています。

(1)燃料デブリ臨界リスク評価基準整備

溶融炉心コンクリート相互作用(MCCI)を経た燃料デブリについて、取り得る性状範囲の評価及び臨界特性を解析して、臨界マップ(臨界となる条件を図示したもの)を作成しています。また、燃料デブリ取出しに向けた準備作業及び取出作業を想定して、臨界リスクを評価する上で考慮すべき事象を検討しています。

(2)臨界実験装置を用いた臨界マップの検証実験

(1)で作成する臨界マップを検証する実験を行うため、臨界実験装置と燃料デブリを模擬した材料(デブリ模擬体)の調製や分析を行う設備の設計を進めています(参考情報)。

(3)リスク評価上重要な事象の影響評価手法の整備を目的とした解析モデルの開発

ウラン溶液燃料の臨界事故のうち、温度の上昇により未臨界となって終息する条件での影響評価手法について整備しています。

(4)新型燃料等に対応した臨界安全評価手法の整備

高燃焼度化のため軽水炉燃料の初期濃縮度は上昇傾向にあり、将来5% を超える可能性もあります。そのため、初期最高濃縮度5% 超軽水炉新型燃料の燃焼計算を実施して、無限実効増倍率や有限体系の臨界量などについて整理しています。

図1
図1:臨界実験概念図

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