平成29年5月19日
国立研究開発法人日本原子力研究開発機構

ポーランド及び英国と高温ガス炉技術の協力を開始
~国産高温ガス炉技術の国際展開と国際標準化に向けて~

【発表のポイント】

国立研究開発法人日本原子力研究開発機構(理事長 児玉 敏雄、以下「原子力機構」という。)は、ポーランド国立原子力研究センター(以下「NCBJ1)」という。)と「高温ガス炉2)技術に関する協力のための覚書」を平成29年5月18日に締結しました。また、英国のURENCO社3)と「高温ガス炉技術に関する協力のための覚書」を平成29年5月18日に締結しました。

ポーランドでは、これまで高温ガス炉開発が具体化されていませんでしたが、新たに産業への熱供給が可能な実用高温ガス炉(熱出力200~350MW)と、研究用高温ガス炉(熱出力10MW)の導入が検討されています。高温ガス炉技術の研究開発に関するNCBJとの協力は、平成29年5月18日の日・ポーランドの外相会談において署名された、「日・ポーランド戦略的パートナーシップの実施のための行動計画(2017-2020)4)」に基づき実施していきます。原子力機構は、世界最先端の国産の高温ガス炉技術をポーランドに展開するため、NCBJと高温ガス炉の設計、燃料・材料の照射特性評価等の協力を進めます。また、NCBJが、研究用高温ガス炉の開発に関して、英国のURENCO社との協力を進めていることも踏まえ、原子力機構は、URENCO社と高温ガス炉の設計、材料、安全評価等の協力を進めていきます。このことにより、将来NCBJがURENCO社から研究用高温ガス炉を導入することになった場合にも、国産の高温ガス炉技術が採用されることが期待されます。

国際協力は高温ガス炉開発の中で重要な活動として、高温ガス炉産学官協議会5)においても指摘されています。原子力機構は、本国際協力を活用して、高温工学試験研究炉(HTTR6))の建設を通じて確立した国産高温ガス炉技術の海外での実証を進め、国際展開と国際標準化を図るとともに、高温ガス炉の早期実用化を目指した国内の研究開発に役立てていきます。

参考部門・拠点: 高温ガス炉水素・熱利用研究センター

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