国立研究開発法人日本原子力研究開発機構

平成28年3月17日
国立研究開発法人日本原子力研究開発機構
福島研究開発部門福島環境安全センター

環境動態研究等で得られた知見を階層Q&A形式で整理しホームページに公開

【発表のポイント】

帰還に向けた住民の方々の放射線や放射性物質への不安に答えるため、環境動態研究等で得られた科学的知見を階層Q&A形式で整理し、本日JAEAのホームページに公開した。

東京電力株式会社福島第一原子力発電所の事故(以下、事故)により環境に放射性物質(現在では主に放射性セシウム)が分布しました。事故から5年が経過し、除染等の対策の進捗や放射性物質の物理減衰、ウェザリング効果等により生活圏における空間線量は着実に減少しています。帰還困難区域を除き、事故から6年後(平成29年3月)までに避難指示区域を解除する方針が国から示されているところです。

日本原子力研究開発機構(以下、JAEA)では、これまで環境中での放射性物質と空間線量率の分布状況の把握、流域圏での放射性セシウムの環境中での移動状況の調査研究(環境動態研究)、これらを踏まえた生活圏に存在するセシウムによる被ばく線量評価について取り組んできました(参考資料)。帰還に向けた住民の方々の放射線や放射性物質への不安に答えるため、これらの取組みにより得られた正確な情報と的確な判断に基づく科学的な知見を簡潔にわかりやすく解説するため、環境動態研究等で得られた知見を階層Q&A形式で整理し、本日、JAEAのホームページに公開しました。 http://fukushima.jaea.go.jp/QA/

JAEAのみならず、関係研究機関の環境動態研究等の成果を下記の3つの知見として取りまとめ、例えば、農林水産業の再開や住民の方の帰還に当たり懸念される事項に対する解説をQ&A形式でまとめました。

知見の整理にあたっては、一問一答のQ&A形式で知見をできるだけ簡潔に整理しました。具体的な事例を踏まえ、できるだけ一般的な知見として示し、住民の方々が直接知りたい質問、それを理解する上で必要な質問などを用意し、用語解説など基本的なことも含めて答えられるようにしました(図1)。また、ホームページを活用して、上記のQ&Aを階層構造的に配置し、利用者のニーズに応じて知見の深堀りが容易にできるようにしています。

今後とも階層Q&A形式で知見を拡充するとともに住民の皆様のニーズの変化にも対応できるよう発信してまいります。

図1

図1. 階層Q&Aの例(森林におけるセシウムの動態研究で得られた知見)

【参考資料】 整理した知見の対象

図2
参考部門・拠点: 福島研究開発部門

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