塩環境に適応するとともに塩を生育に要求する細菌。生育する塩濃度によって大まかに、高度好塩菌(塩濃度20% 以上)、中度好塩菌(塩濃度5~20%)、低度好塩菌(塩濃度2~5%)に分類できる。HaBLAを作る好塩性細菌Chromohalobacter sp.560は、中度好塩菌である。
好塩性細菌が作り出すタンパク質であり、その安定性や酵素活性などの機能のために塩を必要とする。
抗生物質の一種であるβ‐ラクタム系抗生物質を分解する酵素。
結晶にX線を当てると、結晶中に規則正しく並んだ原子のそばをX線が通過するときに曲がり込み(回折)が生じる。回折したX線は、結晶中の原子の配置に対応した様々な強度の点をとして観測することができる。この点の分布と強度から、元の結晶中の原子の分布を求める解析をX線結晶解析と呼ぶ。
原子の種類によって、特定の波長域のX線の回折や吸収が不連続的に大きく変化する現象。結晶を用いてX線の異常分散効果を測定すると、結晶中における特定の原子の種類や位置を正確に調べることができる。
タンパク質分子を構成する原子の三次元的な位置の情報。
イオンや素粒子が有する電荷の数。セシウムイオンやナトリウムイオンは正電荷を一つ持つため、+1と表記する。
イオンを球と仮定した場合の半径。
生物が生命維持するために不可欠な元素。金属元素では、主にナトリウム、マグネシウム、カリウム、カルシウム、鉄など。
側鎖と呼ばれる部分が酸性の性質を持ち、負電荷を有するアミノ酸。グルタミン酸,アスパラギン酸など。
遺伝子を人工的に操作すること。
茨城県つくば市の高エネルギー加速器研究機構に設置されている大型放射光施設。
佐賀県が設置した産学官共用型の放射光施設(佐賀県鳥栖市)。
ナトリウムはセシウムと同じ第一族元素である。周期表上の同じ族の元素は、似た性質を有する。例えばナトリウムイオンの電荷数はセシウムイオンの電荷数と同じ+1であり、電気的な性質が似ている。また、ナトリウムイオンのイオン半径は約1.16 Å(1 Åは10-10m)、セシウムイオンのイオン半径は約1.81 Åであり、イオン半径の違いはわずか0.65 Å程度である。
分子中に含まれる原子量の総和。
炭素の質量を12とし、そこから相対的に他の原子の質量を表した値。タンパク質を構成する原子の原子量は、水素が1.0、炭素が12.0、窒素が14.0、酸素が16.0、硫黄が32.1となる。また、本研究で用いたセシウムの原子量は132.9である。