【用語説明】

1) 熱電発電

物質に温度勾配を与えると電位差が生じる現象を利用した発電方法。

2) イリジウム

原子番号77の元素。鉄やニッケルなど他の元素に比べて、磁気と電荷を結びつける性質(スピン軌道相互作用)が大きい。

3) スピンホール効果

電子の持つ電気の流れ(電流)が磁気の流れ(スピン流)に、もしくはその逆に、変換される現象(図参照)。

4) スピン流

電子の持つ磁気の流れのこと。電流は、電子の持つ電荷の流れである。

5) スピントロニクス

スピン流を利用したエレクトロニクス。

6) 密度汎関数法

結晶を構成する原子と構造をもとに、全ての物理量が電子密度の関数で表されるとして結晶の電子状態を計算する手法。

7) 量子モンテカルロ法

電子間相互作用のある系の物理量を求める数値計算手法。一般に、電子間の相互作用がある系を解くことは困難であるため、様々な電子配置を計算機の中でランダムに用意して、統計的に処理することで問題を解く方法。

8) スピン熱電発電

磁石と金属の積層構造に温度勾配を与えることで発電する仕組み。2008年に、齋藤英治氏(現在,東北大学金属材料研究所)らの研究グループによって発見された。


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