用語説明

1)溶媒抽出

溶媒抽出とは、水に溶解している目的成分を、水と混じり合わず2液相(水相と有機相)を成す有機溶媒(灯油など)に抽出する方法のことで、通常、抽出剤と呼ばれる金属イオン(目的成分)と結合する疎水性化合物を有機相に添加して用いる。溶媒抽出では、通常、撹拌・振とうなどによって2液相を混合することで、液-液界面の面積を大きくして目的成分の有機相への移行を促進し、重力分離あるいは遠心分離によって混合した2液相を分離(相分離)することで、処理後の水相だけを排水する。

2)カラム分離

カラム分離とは、イオン交換樹脂、キレート樹脂、吸着剤などをカラムに充填して用いる方法のことで、処理対象の水溶液をカラムに通すことによって目的成分を回収する方法である。カラムに樹脂を充填して送液するだけなので、簡便である。

3)レアメタル

希少金属とも呼ばれる。レアメタルは日本独自の呼称であり、外国ではマイナーメタルという呼称が一般的。非鉄金属のうち、様々な理由から産業界での流通量・使用量が少なく希少な金属のことを指す。狭義では、鉄、銅、亜鉛、アルミニウム等のベースメタル(メジャーメタル、コモンメタルとも呼ばれる)、金、銀、白金等の貴金属以外で、産業に利用されている非鉄金属を指す。レアアースはレアメタルの代表例の1つ。

4)レアアース

希土類元素とも呼ばれる。ランタノイドと呼ばれるランタンからルテチウムまでの15元素、およびスカンジウム、イットリウムを合わせた17元素の総称である。このような呼称は、互いに化学的性質が類似していることから、単元素として分離・抽出が難しいことに由来している。


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