<補足説明>

1) 重元素化合物YbRh2Si2:希土類(レア・アース)元素やアクチノイド元素などを重元素という。重元素化合物YbRh2Si2は、低温で特異な電子状態になっていると推測され注目されていた。

2) 核磁気共鳴(NMR)法:原子核の磁気的な性質(原子核スピン)を利用して、原子核位置にはたらく電子に起因する磁性を測定することにより電子状態を評価する手法。

3) 原子価数: 原子の電荷状態を表す。例えば、+3価の原子なら正に電子3つ分の帯電している。Ybは+3価に近い原子価数をとる。

4) 原子価数分離・精製技術:価数の異なった状態の物質を分離して精製する技術。たとえばウランの+4価と+6価の物質を分離して精製する技術は原子力基礎技術として重要である。

5) 電子スイッチング素子:電子回路の開閉をおこなうことができる素子。今回の場合、磁場で電子を動きやすくすることができる可能性があるので、このスイッチング素子技術への応用が期待される。


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