【用語解説】

1)集束イオンビーム(FIB)

FIBは細く絞ったガリウムなどのイオンと試料の原子核衝突による原子のはじき出し(物理スパッタ)によって試料を削る装置です。透過型電子顕微鏡(TEM)の試料切片切り出しなどに用いられています。

集束イオンビーム(FIB)

2)マイクロマシン

MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)と同義。微細加工技術4)によって電子回路やセンサなどを基板上に集積した小型機械を指します。

3)lab-on-a-chip(ラボチップ)

微細加工技術4)によって微小空間での化学反応や生体運動などを制御する機能を持ったデバイスの総称です。

4)微細加工

ナノテクノロジーの代表的な基盤技術のひとつであり、我々の目では見ることのできないマイクロメートル(10-6 m)、ナノメートル(10-9 m)といった極小さなスケールで材料を加工する技術です。

5)ダイヤモンド・ライク・カーボン(DLC)

炭素と水素で構成され、ダイヤモンドと黒鉛との間の物性を有する非晶質の硬い材料を指します。

6)ポリ乳酸

植物から取り出したデンプンを発酵して得られる乳酸を重合した透明性や剛性の高い高分子材料です。生体適合性を持ち、生体内で加水分解されることから、治癒後に体内で分解・吸収される縫合糸やインプラントなどに使われています。

7)ガラス転移温度

硬く流動性がない状態(ガラス)から、粘度が下がり軟化し始める境目の温度を指します。

8)X線光電子分光法(XPS)

X線照射によって試料から放出される光電子のエネルギー分布を測定し、試料表面の元素の種類や存在比、化学結合状態を評価する手法です。

【論文名・著者名】

Micro/Nanofabrication of Poly(L-lactic acid) Using Focused Ion Beam Direct Etching.

Tomoko Gowa Oyama, Toru Hinata, Naotsugu Nagasawa, Akihiro Oshima, Masakazu Washio, Seiichi Tagawa, and Mitsumasa Taguchi
Applied Physics Letters 103, 163105 (2013).


戻る