用語解説

1)磁壁、磁壁の運動:
磁壁とは、磁性体中で磁化の方向がそろった領域(磁区)を隔てている界面です。外部から磁場を加えると、磁場に対し安定な磁区が成長し、一方不安定な磁区は縮小します。結果として、磁区の境界面である磁壁が一方向に移動します。これを磁壁の運動と呼びます。

磁壁、磁壁の運動

2)スピン:
電子が固有に持っている角運動量のことです。同時に磁気の源でもあり、スピンを持つことで電子は角運動量と磁化を持つ小さな電磁石となっています。
3)スピントロニクス:
エレクトロニクスとは、電子の電荷の流れ(電流)を制御する技術です。一方、電子のスピンの流れ(磁気の流れ)をスピン流と呼びます。スピントロニクスとは、このスピン流を電流同様に利用することで、発熱の少ない演算素子や待機電源の不要なメモリーなど、従来のエレクトロニクスを凌駕する技術革新を実現するものです。これにより、熱くならないコンピュータや、モバイル機器の大幅な利用時間延長といった、大きな省エネ効果が見込まれます。

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