用語説明

※1) モニタリング船「せいかい」
独立行政法人日本原子力研究開発機構 東海研究開発センター核燃料サイクル工学研究所が所有するモニタリング船。再処理施設保安規定、茨城県環境放射線監視計画等に基づく海洋環境モニタリングを主目的として運航。19トン。
※2) イオン交換による表面吸着
セシウムは、陽イオン(Cs+)の形態で水に溶けるため、負に荷電した粒子の表面に電気的に吸着する。他の陽イオンと入れ替わることによって、粒子表面から離脱するため、粒子の内部に取り込まれる場合に比べて粒子としての安定度は低い。本研究では、堆積物に1M酢酸アンモニウム溶液を添加し、溶け出てくるセシウムをイオン交換性の成分と定義した。
※3) 画分
混合物を分けたそれぞれの成分。
※4) 有機物
炭素を骨格とした化合物の総称。ただし、二酸化炭素などの単純な酸化物、ダイアモンドなどの炭素同素体は含まない。海底堆積物中の有機物は、主に海水中の生物(動物、植物、微生物)によって生産されたタンパク質、糖、脂質等によって構成されるが、沿岸域の堆積物には、河川等を通じて陸から流入するものも存在する。本研究では、イオン交換性のセシウムを取り除いた堆積物に10%過酸化水素溶液を添加し、溶け出てくるセシウムを有機物態で存在するセシウムと定義した。
※5) 底生生物
海底堆積物の内部や、そこに生活するサンゴや海藻に共生する生物の総称。底生生物が堆積物中を上下に動き回ることにより、堆積層が乱れ、堆積物やその中の物質が鉛直的に移動することをバイオターベーション(生物撹乱)という。

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