平成24年10月25日
独立行政法人
日本原子力研究開発機構

JMTR施設内Cトレンチの廃液移送管表面からの汚染検出について

JMTR(材料試験炉)施設で実施している自主検査において、10月19日に廃液移送管の外表面にわずかなにじみを確認し、同日、原子力規制庁及び関係自治体へ報告しておりましたが、本日、法令報告該当事象と判断しましたので報告いたします。

1. 発生日時  平成24年10月19日(金) 14時41分頃

確認日時  平成24年10月25日(木) 11時20分

2. 発生場所  JMTR施設 Cトレンチ内廃液移送管(非管理区域)

3. 発生状況

JMTR施設(図1、図2参照)においては、排水貯槽の排水ポンプ、主要弁、廃液移送管等の排水系統(図3参照)の健全性を確認するための自主検査を毎年実施しており、平成24年度は7月4日から実施しています。10月19日からは、SFCプール(使用済燃料切断プール)排水貯槽の排水ポンプ及び廃液移送管の自主検査を実施しています。

この検査は、SFCプールに純水を供給することにより、プール水をオーバーフローさせてSFC排水貯槽に水をため、排水ポンプにより排水を貯留する施設(タンクヤード)に送水することにより、排水ポンプ及び廃液移送管の異常の有無を確認するものです。

10月19日14時36分頃に排水ポンプを起動し、廃液移送管に通水し漏えいがないことを確認していたところ、14時41分頃にJMTR原子炉建家からタンクヤードまで続いているCトレンチ内(非管理区域)の廃液移送管の外表面にわずかなにじみを確認しました(図4参照)。そのため、14時43分頃、排水ポンプを停止したところ、配管表面からのにじみは止まりました。にじみ箇所を特定し、その部位の漏えい防止のための措置を行いました。

廃液移送管の外表面のにじみをふき取ったウエスを放射線測定器(サーベイメータ及びゲルマニウム半導体検出器)で測定した結果、放射性核種は検出されませんでした。また、ウエスでふき取った後の廃液移送管の外表面のスミヤ検査でも放射性核種は検出されませんでした(図5参照)。以上のことから、法令報告事象には該当しないと判断しました。

その後、ウエス内の微量のトリチウムの有無を確認する方法について検討し、ビニール袋に保管したウエスに、10月24日から純水100cmを加えトリチウム量の測定を開始し、10月25日にかけて5回測定しました。その結果、14〜61Bqの測定値を得たため、同程度のトリチウムがCトレンチ内廃液移送管表面のにじみに含まれていたものと推測しました。

これにより、10月25日11時20分、原子炉等規制法に定める「核燃料物質等が管理区域外で漏えいしたとき」に該当する法令報告事象と判断するに至りました。

これまでの時系列を表1に示します。

4. 環境への影響

影響はありません。

5. 従業員への影響

影響はありません。

*使用済燃料切断プールは、燃料要素の上部と下部の構造材(アルミニウム)の切断に使用するためのものであり、ウランが含まれている燃料部分を切断することはない。

添付図表

以上


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