独立行政法人日本原子力研究開発機構
平成23年2月28日
独立行政法人日本原子力研究開発機構

JMTRを用いた第1回若手研究者研修講座の完了について
(「国際原子力人材育成イニシアティブ」に係る公募事業)
(お知らせ)

【概要】

独立行政法人日本原子力研究開発機構(理事長:鈴木篤之 以下、原子力機構という)では、平成22年度から、原子力産業の世界展開を支援することを目的に、国内の産業界で従事されている若手技術者、大学生・高専生等(外国人留学生を含む)を対象に、原子力機構が保有する材料試験炉(JMTR)等を活用した実務的な研修講座を開設しました。

その第1回目として、平成23年2月14日から2月25日にかけて、JMTRの照射設備を用いた照射試験体について、所定の中性子照射量を満足させるための核的計算を中心とした研修を実施し、国内の学生10名が受講しました。原子力機構では、本研修講座を通じて、将来の原子力人材を育成することを目指しており、本年8月頃に第2回及び第3回の研修を予定しています。

【研修講座開設の背景】

原子力機構では、実務技術者、大学・高専生等を対象に、大洗研究開発センターに設置されているJMTR1)、JMTRホットラボ等を用いて、照射試験炉の運転及び管理、照射試料の原子炉内での照射設計及び照射済み試料の照射後試験等の一連の流れを体験させる研修講座の新設を提案し、文部科学省の平成22年度の「国際原子力人材育成イニシアティブ」に係る公募事業として、平成22年11月15日に採択されました。本事業では、原子力人材育成等推進事業補助金を活用して実務的な研修を実施することにより、原子力産業の世界展開を視野に、将来における国際的な原子力人材の育成の観点から、国内の実務技術者、大学・高専生等を育成することを目指しています。

【平成22年度最先端研究基盤JMTR及び関連施設を用いた研修講座】

(1)概要
本研修講座では、国内の若手技術者、大学生・高専生等を対象に、原子力産業の世界展開を視野に、JMTRを活用した総合的な研修を通じて、原子力の基礎知識を習得するため、JMTRの照射設備の一つである水力ラビット照射装置に関し、照射試験のために実際に行われている核的計算を中心に、原子力の基礎、理論等の講義、JMTR、JMTRホットラボ等の施設見学等を実施しました。また、日本原子力発電株式会社の実機軽水炉の教育訓練用の原子炉運転シミュレータを利用した運転実習も行いました。
なお、研修カリキュラムの策定にあたっては、製造メーカ等への大学生のインターンシップに関するノウハウを有する長岡技術科学大学等と連携すると共に、学生の募集にあたっては、夏期に研修講座を開設している東北大学等の教育機関に協力を仰ぎました。
(2)日程
平成23年2月14日(水)から25日(金)(10日間)
(3)実施場所
独立行政法人日本原子力研究開発機構 大洗研究開発センター照射試験炉センター
(4)研修講座の主な内容
・原子力の基礎
・原子力の理論
・核計算実習
・中性子照射量の評価
・原子炉施設等の見学
・教育訓練用小型シミュレータによる研修(日本原子力発電株式会社)
(5)受講者及び受講者数
受講者:国内の大学院生及び大学生
受講者数:10名
(6)次回以降の研修講座開催予定について
本研修講座は、今後、平成23年度に2回、平成24年度に2回開催し、平成25年度以降も継続して研修講座を実施する予定です。
なお、本研修は、国内の産業界で従事している若手技術者、大学生・高専生等(外国人留学生(日本国内に留学している外国人)を含む)が対象となります。

研修の様子

以上

参考部門・拠点:大洗研究開発センター

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