平成22年3月29日
独立行政法人日本原子力研究開発機構

世界初の地層処分知識マネジメントシステムの構築
−見たい情報、最新の成果をすぐに見ることが可能−

独立行政法人日本原子力研究開発機構(理事長・岡ア俊雄)地層処分研究開発部門では、高レベル放射性廃棄物等の地層処分技術に関する研究開発を進めております。その一環として開発を進めてきました地層処分に関する知識マネジメントシステム(以下、「KMS」という)のプロトタイプを、これまでの成果をウェブサイト上に取りまとめた報告書「CoolRep」(紙資源を節約する環境に優しい文書化という意味で命名)とともに、3月31日から当機構ホームページ: http://www.jaea.go.jp/04/tisou/toppage/top.html 上で公開いたします。

高レベル放射性廃棄物等の地層処分は、放射性廃棄物を人工物と天然の地層を組み合わせた多重バリアによって、何万年という超長期間にわたり人間の生活環境から安全に隔離することを目的としています。超長期間にわたる安全性を立証するには、多くの学問分野に関わる多様かつ大量な科学技術的知識を活用することが必要です。これらの科学技術的知識は、今後も科学技術の進歩などに伴って増加していきます(図1)。また、地層処分の事業は長期にわたるため、常に最新の科学技術的知識を取り込むと同時に、それらの知識を保存し追跡性を確保して、後世に伝承していくことも必要です。このことから、時間とともに進化する多種・多様な知識を、目的や利用者の知識レベルに応じて効果的に利用・統合することを支援する仕組みの構築が必要と考え、最新のITや知識工学の技術を駆使して、世界初の試みとしてKMSを開発しました。

CoolRepは、研究開発の最新の状況や今後の研究開発の方向性などを提示して、読者の要求に応じた知識や情報をスムーズに提供することを指向したものです。全体の要約と研究分野ごとの概要(カーネル)に階層化し、そこからKMSで管理される研究開発成果(例えば、より詳細な技術的情報を提供する報告書、データベース、ビデオやアニメーションなどの動画、レビューや品質保証に関する資料、関連するウェブサイトなど)を引き出せるようにした新しいスタイルの報告書です(図2)。このような構造により、CoolRepの中の関連する場所から、より詳細な情報にアクセスし「見たいものをすぐに見る」ことが可能となりました。

今回公開するシステムは、どなたでも閲覧可能です。今後、新たに得られる研究開発成果を取り入れて恒常的に拡充・更新を図りながら、ユーザーとの双方向コミュニケーションが可能なシステムに改良していく計画です。

以上

参考部門・拠点:地層処分研究開発部門

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