【用語の説明】

(1)パルス中性子:
J-PARCなど,陽子加速器を利用して原子核破砕反応によって生成される中性子で,パルス的に発生する。J-PARCの場合,1秒間に25回(0.04秒間隔)の頻度で周期的に発生する。また,パルス中性子では,1パルス中に連続的なエネルギーの中性子が発生するため,それぞれのエネルギーを弁別することで,一度に多量のデータを収集することが可能である。
(2)中性子構造解析:
試料の結晶に中性子を照射すると,中性子は結晶中の原子位置に依存して決まった方向に散乱する。この散乱した中性子の位置と強度を調べて解析することで,結晶中の原子位置を求めることができる。特に中性子を用いると,水素原子あるいは水素イオン(プロトン)の位置を,X線と比較して容易に見ることができる。多数の水素を構成成分に含むタンパク質の結晶解析や,有機化合物の化学反応の研究などに重要な情報が得られる。

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