別紙

独立行政法人日本原子力研究開発機構東海研究開発センター原子力科学研究所のJRR−3原子炉自動停止について

1.件名
JRR−3原子炉自動停止
2.発生日時
平成21年6月8日(月)12時14分頃
3.発生場所
独立行政法人日本原子力研究開発機構東海研究開発センター
原子力科学研究所
4.原子力施設の名称
JRR−3原子炉施設
5.発生の状況
JRR−3(定格出力20MW)は、当機構、大学等による研究開発等を目的に、施設共用運転を行う研究用原子炉である(添付資料1参照)。
(1)発生前
 平成21年6月8日から7月3日まで今年度3回目の施設共用運転を行うことになっていた。
 6月8日11時に原子炉を起動して出力上昇を開始し、11時58分に2MWに到達した後、さらに12時13分に2MWから10MWに向けての出力上昇を開始した。
(2)発生時
 12時14分頃、2系統ある安全系(添付資料2参照)のうちA系の「安全系中性子束高」のスクラム信号が発生し、原子炉が自動停止した。なお、原子炉出力は3.3MW(対数出力計の指示値)に達していた。
(3)発生後
 全制御棒が完全に挿入されていること、中性子出力が正常に低下したこと及び崩壊熱除去のために必要な冷却設備が正常に運転されていることから、原子炉が安全に停止し、施設の安全が確保されていることを確認した。さらに、停止後点検を実施し、異常がないことを確認した。
6.環境への影響等
 排気筒ガスモニタ、排気筒ダストモニタ及びモニタリングポストの指示値に異常はなく、周辺公衆への影響はなかった(添付資料3参照)。また、作業者等の放射線被ばく、人的障害及び物的損傷もなかった。
7.原因調査状況
 対数出力計及び熱出力計には正常な出力上昇が記録されていることから、原子炉の異常な出力上昇はなかったことを確認した。
 安全系のB系には、「安全系中性子束高」のスクラム信号の発生がなかったことから、安全系のA系に不具合があると判断し、当該A系について、テスト信号発生器を用いた模擬入力により2MWからの出力上昇を再現したところ、本来3.2MW付近で作動すべき安全計線形増幅器の自動レンジ切替回路が正常に作動しない場合があり、その結果「安全系中性子束高」のスクラム信号が発生することを確認した。
 スクラム信号が発生しなかったB系についても同様の試験を行い、同じ事象が発生することを確認した。

原因調査を継続する。
8.原因
原因は調査中であり、調査終了後に報告する。
9.対策
調査結果を受けて今後の対策を検討し、後日報告する。
添付資料1 独立行政法人日本原子力研究開発機構東海研究開発センター原子力科学研究所内の施設配置図 [形式:PDF]
添付資料2 安全系説明図(A系、B系) [形式:PDF]
添付資料3 JRR−3排気筒モニタ及びモニタリングポストの指示記録 [形式:PDF]
参考資料1 JRR−3原子炉自動停止事象時系列 [形式:PDF]
参考資料2 中性子計装盤写真 [形式:PDF]
参考資料3 「安全系中性子束高」が発生する要因に関する調査状況 [形式:PDF]
参考資料4 自動レンジ切替回路誤作動の再現試験結果 [形式:PDF]

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