【補足説明】

リニアック(Linac)とシンクロトロン

リニアックは加速空洞を直線状(リニア)に並べ、粒子を直線的に加速する加速器の総称で、線形加速器とも呼ばれる。この方式では定常的にビームを取り出せるので、多くの粒子(大電流)の加速に適している。

しかし、粒子は特定の加速空洞を1回しか通らないために、高エネルギー(粒子のスピードを高める)とするには数多くの加速空洞が必要となり、長い装置が必要になる。このため、高エネルギーとするには、同じ加速空洞に粒子を何度も通しながら加速することができるシンクロトロン(円形加速器)が用いられる。

J-PARCでは、リニアックからの陽子ビームを3GeVシンクロトロンで30億電子ボルト(光速の約97%の速さ)まで加速し、その一部を50GeVシンクロトロンに入射し、将来的には最大500億電子ボルト(光速の99.98%の速さ)まで加速することを目指す。加速された陽子を標的に衝突させて、その標的から生み出される二次粒子を種々の最先端研究に用いる。

J-PARC施設


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