(参考資料)
 
STACY及びTRACYにおけるウラン酸化物燃料の不適切な保管について
(事象概要と処置及び対策)

 
1.事象概要
 東海研究開発センター原子力科学研究所(図1参照)に設置されている定常臨界実験装置(STACY)及び過渡臨界実験装置(TRACY)で用いる溶液燃料の材料となるウラン酸化物燃料は、両施設の設置許可書に基づき、「搬入し、ウラン保管室にて一時保管した後、溶解する」こととされている。
 一時保管とは「溶解するまでの間の暫定的な貯蔵」であると理解すべきところを、平成6年9月20日に搬入した濃縮度1.5wt%のウラン酸化物燃料については、溶解しなかった残りの在庫約92kgUが、搬入から10年以上も経過した現在も保管容器(図2参照)に一時保管されている。長期におよぶ保管を一時保管として行ってきたことは、不適切であった。

2.処置及び対策
 恒久的な是正措置として、保管容器による一時保管から貯蔵施設による貯蔵に移行するための設置変更の許可並びに設計及び工事の方法の認可に係る手続きを早急に行い、平成19年度末を目途に当該燃料の貯蔵設備を整備し、ウラン酸化物燃料の適切な貯蔵管理を行う。
 その移行が完了するまでの暫定的な是正措置として、貯蔵性能に係る技術上の基準を満たすため、現在一時保管に使用している保管容器を固縛するとともに、その管理要領を定め、ウラン酸化物燃料を安全に管理する。
以 上

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