用語説明


1.イオンビーム
 原子から電子を剥ぎ取った原子核(イオン)を加速器を用いて光速の数分の一程度にまで高速に加速したものです。植物の種子や培養組織に照射することにより、DNAに作用し、人為的に突然変異を起こすことができます。


2.イオンビーム育種
 イオンビームを植物に照射して突然変異を誘発することで新品種を生み出す品種改良手法です。イオンビームが効率よく突然変異を起こすことから、今までに得られていなかった形質を含めて、幅広いバリエーションを作出することが可能です。


3.二酸化窒素(NO2)
 物質の燃焼に伴い大気中の窒素と酸素が反応して発生する赤褐色の空気より重い気体です。呼吸器疾患の原因になると同時に光化学オキシダント生成や酸性雨の原因にもなる代表的な大気汚染物質です。日本の環境基準は、一日平均値が0.04-0.06 ppmの範囲内またはそれ以下であることと定められています。


4.ヒメイタビ
 本州、四国、九州、沖縄に分布するクワ科イチジク属の常緑蔓性低木で、街路樹として用いられています。気根を壁面におろして壁面つたいに生育し、また、葉が長さ1〜2cmと小さいために壁面緑化に適しています。


5.光化学オキシダント
 自動車や工場などから排出される大気中の窒素酸化物や炭化水素が太陽光(紫外線)を受けて光化学反応を起こすことにより生成される二次汚染物質のことで、光化学スモッグの原因となります。


6.ケールダール分解
 19世紀にドイツ人ケールダールによって開発された、生体内に含まれるアミノ酸などの有機化合物中に含まれる窒素(有機窒素)を定量する方法です。


7.ファイトレメディエーション
 植物を利用して環境を修復する技術の総称で、植物を表す接頭語であるファイト(phyto)と修復という意味のレメディエーション(remediation)を組み合わせて、ファイトレメディエーションと呼ばれています。修復速度は遅いですが、大気中や土壌に広がった汚染物質を持続的に分解除去できる方法として期待されています。

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