用語説明

 
1)超伝導
 超伝導体とは、ある温度以下で電気抵抗がゼロになる状態を示す物質のことをいい,この温度のことを臨界温度又は超伝導転移温度(Tc)とよびます。超伝導が初めて見いだされたのはTc=4.15K(-269°C)の水銀です。オランダのカマリン・オンネスが1911年に発見しました。単一の原子からなる金属では,Pb(鉛),Nb(ニオブ)などがそれぞれ7K,9K以下で超伝導体となります。超伝導の特長を利用して、超伝導マグネット、リニアモーターカ、電力輸送、電力貯蔵など様々な分野への応用が期待されています。


2)格子振動
 結晶中の原子(格子)の振動のこと。振動の駆動力は熱であるが、絶対零度においても、不確定性原理から原子(格子)は振動している。


3)縦波光学格子振動
 格子振動には、お互いの原子が近づいたり遠ざかったりする振動と、上下(及び手前と奥方向)に揺れる振動がある。前者を波にたとえて縦波、後者を横波と呼ぶ。縦波の格子振動はこの振動数と等しい光を吸収したり反射したりするので縦波光学格子振動と呼ばれている。


4)X線非弾性散乱
 物質に入射するX線のエネルギーと試料から散乱されるX線エネルギーとの差を測定することにより、物質内に存在する励起状態を観測するもので、SPring-8のような第三世代大型放射光X線が利用できるようになって可能となった実験手段である。


5)気相合成ダイヤモンド
 人工ダイヤモンドの作成方法には、高温高圧法と気相合成法がある。高温高圧法は、金属触媒を利用して炭素を1,500℃、5万気圧以上の高温高圧状態にすることによってダイヤモンドを合成する方法であり大掛かりな装置が必要となる。これに対し、気相合成法は、水素やメタンのガスからダイヤモンドを合成する手法で、比較的簡便な装置で合成ができる特長がある。さらに大面積化や薄膜化が容易であるためデバイス作成に適している。

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