補足資料3
 


 衝撃圧が負荷された水銀中に生じた水銀気泡の崩壊により、損傷を受けた材料表面の断面拡大写真。
 1千万回の衝撃圧を負荷した後に受けた損傷の断面形状を示している。新開発表面処理材は、従来の表面処理材及び基材であるステンレス鋼と比較し、表面はスムーズで損傷が激減していることが分かる。
 これまでに約20種類に及ぶ表面処理材料の耐久性を調査したが、従来表面処理技術として比較的良好であったものは、材料表面が硬くなったプラズマ窒化処理材であった。
 しかしながら、百万回を超える衝撃パルスを加えると、硬化した表面に生じたわずかな亀裂から剥離が起こり、損傷を拡大する傾向が認められた。
 そこで、硬質かつ基材に対する界面強度を改善した、プラズマ浸炭と窒化処理技術を融合させた新技術により、損傷の耐性を向上させることができ、損傷が顕在化するまでの衝撃パルス数を百万回から1千万回に1桁増大することに成功した。
 新表面処理技術の特徴は、ステンレス鋼の耐食性を損なうことなく、材料特性を傾斜的に変化させた表面処理層を形成できることにある。
 今回は、高速画像から推定した水銀気泡崩壊により生じる衝撃力に適用するように、材料特性の傾斜的変化及び厚さをコントロールした表面処理層を実現させた。当該表面処理技術は、日本電子工業株式会社と共同で特許出願中。

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