【補足説明】
 
レーザー駆動粒子線がん治療器
 強力なパルスレーザーを物質に照射する際に発生するプラズマの性質を応用して電子を加速し、その電子とターゲット物質の相互作用で発生する粒子線(陽子線)をがん治療に利用しようとするものである。
 レーザー駆動の電子加速は、従来の高周波による電子加速とは原理的に異なり、レーザーで誘起され瞬間的・局所的に発生する強力な光の場(光子場)を加速源とするため、高周波による加速器に較べて100倍以上の強力な加速電場で電子を加速することから、加速装置が小型化できるとともに、高品質の電子ビームが得られる。この電子ビームを、薄膜金属ターゲットに照射することにより発生する粒子線(陽子線)を安定的に取り出し、この粒子線を体内のがん組織に局所的に照射することにより、正常組織を傷つけることなくがん細胞を死滅させることが出来る。


「光医療産業バレー」構想
 関西文化学術研究都市を中心に研究開発されている優れた光技術、医療技術を融合して、この地域に、医療機器などの開発をすすめる研究所や企業、先端医療が受けられる医療機関が集積する一大医療拠点を構築しようとするものです。活動の一環として、けいはんな新産業創出・交流センターが中心となり、平成17年9月から、学研都市内外の関係有志による「光医療産業バレー勉強会」を組織し、定期的に研究会を開催しています。


科学技術振興調整費
 総合科学技術会議の方針に沿って文部科学省が運用を行う、政策誘導型の競争的資金として活用されるもの。


科学振興調整費「先端融合領域イノベーション創出拠点の形成」
 イノベーションの創出を可能とし、次世代を担う研究者・技術者を育成する機能を備えたシステムを実現することを通じ、10〜15年後に新たな産業の芽となる先端技術を確立するため、実用化を見据えた基礎的段階から、産学が協働して先端融合領域における研究開発を推進するプログラム。18年度には15件が採択され、うち6件はフィージビリティスタディとして制限付きで採択された。


「フィージビリティスタディとして採択」
 「採択(制限付き)」課題については、初年度には拠点形成を行わず、設定した目標(ミッションステートメント)の実現可能性を高めるための調査・検討(フォーラムの開催等)に制限して実施するものとして採択されたもので、当該調査・検討の結果を踏まえて次年度(平成19年3月)に再審査を実施し、研究の中止又は継続を判断される。



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