用語解説 1)ITERでの遠隔実験 ITERは、7極(日本、欧州、米国、ロシア、中国、韓国、インド)の協力で、欧州のカダラッシュ(フランス)に建設される世界唯一の核融合実験炉である。日欧の幅広いアプローチにおいて、青森県六ケ所村に国際核融合エネルギー研究センター内ITER遠隔実験センターを設置することが計画されている。 2)研究協力の推進、国内共同研究重点化装置 核融合研究においては、大型の実験装置を、装置のあるオンサイト研究者だけでなく所外の多数の研究者も使用する研究協力の形態が世界的に一般化しており、例えば欧州のJET装置や米国のDIII-D装置などで大規模に行われている。 わが国においても、平成15年1月の文部科学省・学術分科会・基本問題特別委員会・核融合研究ワーキンググループ報告において、核融合研究の重点化の方針が示され、JT-60が「トカマク国内共同研究の中核的役割を担う装置」として位置づけられ、「トカマク国内重点化装置の建設開始まで運転を継続し共同研究を推進する」とされている。 3)遠隔地からの計測器の操作 原子力機構那珂核融合研究所と米国の研究所とを専用回線で結び、JT-60に取り付けたプラズマ計測器を米国から遠隔操作し、データを収集した。平成8年7月4日プレス発表。 4)制御システム JT-60の制御システムは次の3つの機能を有し、実験条件に従ってプラズマを生成するとともに、装置を保護し、安全な運転を担保している。
5)IT Based Laboratory(ITBL)計画 国家施策e-Japanの下、「研究開発のIT化を実現するため、2005年度までに国内のすべての研究機関のスーパーコンピュータを大容量ネットワーク上で共用化が可能な環境を構築し、その普及を促進する」ことを目的として平成13年度より5ヵ年で推進した国家プロジェクト。独立行政法人物質・材料研究機構、独立行政法人防災科学技術研究所、独立行政法人宇宙航空研究開発機構、独立行政法人日本原子力研究開発機構、独立行政法人理化学研究所、独立行政法人科学技術振興機構の6機関により実施。インターネット上に散在する計算資源、知識、ノウハウなどをネットワーク上で共用化することにより、複雑で高度なシミュレーション、遠隔地との共同研究を容易に行えるグリッド・コンピューティング基盤技術を開発した。 6)グリッド・コンピューティング ネットワーク上に分散した複数のコンピュータ資源を共有することで、仮想的に高速コンピュータを作り、セキュリティーを保ちつつ利用者が容易に必要な処理能力や記憶データを利用できるようにすること。 |
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