用語説明

 1) 「ガリウムひ素半導体」
 ガリウムとひ素からなる化合物で、半導体としての性質を示す。結晶中で電流を伝える粒子の移動する速さが、シリコンの約6倍である。そのため、信号処理を高速でおこなったり、効率よく電流を流したりできる。また、電流を光に変えるときの効率も高い。これらの性質は、携帯電話・無線LAN・光通信・カーナビなどに用いられる半導体素子用として最適であり、近年、使用量が急速に拡大している。
 
 2) 「c(4x4)と呼ばれる表面」
 c(4x4)というのは、結晶の表面に現れる原子配列の特徴を表現するための記号である。結晶は、いくつかの原子からできたある配列が単位となって、それが空間的に繰り返し並んだものである。ところが、表面では、
 (1) 原子の出入りがありうること
 (2) 本来結合するべき相手を失った原子どうしが、新しい結合を作ろうとすること
のために、結晶内部とは違う原子の配列が繰り返しの単位になる。表面での新しい原子の配列が、結晶内部での繰り返し単位を基準にして、縦に4倍、横に4倍なら、その構造は4×4構造(4かける4構造)と呼ばれる。「c」というのは、"centered"の略で、原子の配列が単純な正方形や長方形でなく、市松模様的な特徴を持っていることをあらわす。
 表面での繰り返しの単位が、結晶内部の繰り返しの単位の何倍かということや正方形的か市松模様的かということは比較的容易に調べられる。しかし、個々の原子が具体的にどのように配列して4倍周期の市松模様を形成しているかを特定することは、たいへん難しい。

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