機構は、平成17年7月11日付け準備書面において、鳥取県中部総合事務所長がなした禁止命令が、仮に、方面捨石堆積場敷地内のウラン残土約3,000m3全量を麻畑1号坑捨石堆積場敷地内に搬入することを禁止するものであるとしても、当該禁止命令は違法であることについて詳細に主張した。 本準備書面は、鳥取県中部総合事務所長が同年8月23日付け準備書面により行った機構の主張の一部に対する反論主張に対して反論主張をしたものである。 |
(1) | 鳥取県中部総合事務所長は、無届けであるので禁止命令を出したとする一方で、機構が提出した詳細設計については、届出がされていないので禁止命令をする立場にはないという。 |
(2) | しかし、当初計画と詳細設計とで相矛盾する立場を採ること自体、本件禁止命令が違法であることを示すものである。 |
(1) | 鳥取県中部総合事務所長は、機構の行おうとする行為を同事務所長が独自に想定しなければならないというのは異常であるという。 |
(2) | しかし、届出を受理せずに独自に想定して禁止命令を発令しながら、かかる主張をすること自体失当であるし、自然公園条例には独自の想定を許容する旨の条項はない。 |
(1) | 鳥取県中部総合事務所長は、機構が斜坑設置のため設置予定の「仮橋」について、鳥取県砂防指定地等管理条例を挙げて縷々非難する。 |
(2) | しかし、上記主張は、鳥取県立自然公園条例上、行政庁として許容される権限を逸脱する主張であり失当である。 |
(1) | 鳥取県中部総合事務所長は、「仮設スペース」や「仮橋」の面積等を独自に想定した上で、大規模な工事が行われることが容易に想定されるという。 |
(2) | しかし、「大規模な工事」が、「当該公園の風景に大きな損害を与えるものであり、風景の保護上大きな支障となる。」(禁止命令書記載の禁止理由第2項)のか、その具体的理由については全く主張・立証していない。 |
(1) | 鳥取県中部総合事務所長は、「仮橋」設置予定箇所の県道の川底部からの護岸高(約180cm)と比べ、「仮橋」は高くなる(計画高水位約90cm+河川としての余裕高60 cm+橋梁としての余裕高50 cm+仮橋の想定される通常の厚さ約50 cm=250cm)ので、県道の嵩上げ工事が必要となるなど、相当大規模な工事が必要となるという。 |
(2) | しかし、計画高水位は出水期についてのものであり、原則として非出水期に設置される「仮橋」に適用されるものではない。 また、機構職員が護岸高を測量したところ、護岸高は2.758m(約276cm)であるから、段差解消のための県道の嵩上げ工事が必要となることもない。 |
(1) | 鳥取県中部総合事務所長は、遅くとも、平成16年11月19日に届出が提出された以降、検討を進めたという。 |
(2) | しかし、湯梨浜町長が機構になした通知文書には「仮橋」に関する記載は全くない。 |
(1) | 機構は届出をしていないのであるから、本訴訟に勝訴しても、行為を実施することができないので、機構には「訴えの利益」がないという。 |
(2) | 機構が勝訴判決を得て、再度届出をした場合に、鳥取県中部総合事務所長が再度違法な禁止命令を発令するといったことはおよそ考え難いから、機構には「訴えの利益」がある。 |