本日は私たち新入職員のために入社式を催して頂き有難うございます。理事長を始め、多数の方々にご臨席を賜りましたこと、誠に感謝いたします。ただ今、理事長から頂きました激励の言葉を真摯に受け止め、ご期待に応えることができるよう、努力して参ります。
原子力機構は安全確保と地域との共生を大前提として、原子力によるエネルギー・環境問題の解決や新しい産業の創出等、社会への還元が求められています。私たちの研究開発は日本国民の皆様の信頼と理解に支えられており、その責務は並々ならぬものではありますが、高い倫理観と自身の仕事に対する誇りを胸に秘め、信頼に応えて十分な貢献ができるよう日々ベストを尽くし精進していく所存です。
昨今の世界情勢を鑑みますと、昨年洞爺湖サミットが終了し、現在では世界の原子力産業は、地球温暖化やエネルギー資源の枯渇といった問題の打開策として、より注目されています。原子力先進国である日本の研究開発機関としては、問題を解決すべく世界各国の研究機関と協力するだけでなく、世界に先駆けて原子力技術の研究開発を行ない、リーダーシップを発揮していくことも一層求められると思われます。そのためには、私たちが同じ志を持つ原子力機構の一員として互いに協力し連携することが必要不可欠であると思われます。
私たちは社会の基盤に関わる研究開発に取り組むことになります。新しいエネルギーシステムの開発といった未来に強く影響を及ぼすものもあり、将来の世代に対する責任があります。未来は私たちの双肩にかかっていることを自覚し、自分自身の職務に対して全身全霊で当たって参ります。そうすることで、私たち新入職員が諸先輩方の築き上げたものを壊さぬように受け継ぎ確実に前に進めて、私たちが築くものを将来の世代に譲り渡すことができると思われます。
私たち新入職員は、社会基盤に関わる大きな使命を受けている原子力機構の一員となり、各人が非常に熱い思いを胸に秘めています。原子の火を灯し、その火を保ち続けてきた諸先輩方とともに一日でも早く社会への貢献ができるように、私たち新入職員は互いに切磋琢磨し、不断の努力を惜しまない所存です。未熟ではありますが、皆様のご指導、ご鞭撻のほどを宜しくお願い申し上げます。私たちは
『原子力の未来を切り拓き、人類社会の福祉に貢献する』
という理念を実現できるよう、今この場で抱く初心を忘れることなく、自らの能力を十二分に発揮し、身命を賭して励んでゆくことをここに誓います。
平成21年4月1日
新入職員代表 天野祐希