独立行政法人
日本原子力研究開発機構
マイナーアクチニド含有MOX燃料集合体組立について


 独立行政法人日本原子力研究開発機構では、原子力発電所の使用済燃料に含まれる寿命の長い放射性物質(マイナーアクチニド(注):MA)を高速炉でウランやプルトニウムと一緒に燃やしたり、寿命の短い放射性物質に変換することで、放射性廃棄物の処理・処分に係る負担軽減を目指しており、この研究の一環として、高速実験炉「常陽」を用いたMA含有MOX燃料の照射試験を計画しています。
 照射試験には、照射燃料試験施設(AGF)で製造したアメリシウムが5%含まれたMOX燃料ピンと、東海研究開発センタープルトニウム燃料技術開発センターで製造したアメリシウムとネプツニウムがそれぞれ2%含まれたMOX燃料ピンを使用します。これらのMA含有MOX燃料ピンは多くの放射線を放出することから、照射試験用集合体への組み立ては、照射燃料集合体試験施設(FMF)のホットセル内で遠隔操作により行います。
 FMFでは、3月17日より遠隔操作による照射試験用燃料集合体の組み立て作業を開始し、現在はMA含有MOX燃料ピンを装填したキャプセルを収納するコンパートメントを照射試験用燃料集合体(MA含有MOX燃料集合体)として組み立てる作業を実施しています(添付図参照)。今後、組み立てが終了したMA含有MOX燃料集合体を「常陽」に据え付け、施設定期検査合格後に開始するMK-III第3サイクル運転の中で10分間及び24時間の短期照射を行い、MAの添加が燃料の照射挙動に及ぼす影響を確認する計画です。

(注)マイナーアクチニド:
 ウラン、プルトニウム以外の重元素(ネプツニウム、アメリシウム、キュウリウム等)の総称で、長期間放射線を出し続ける性質があります。


マイナーアクチニド含有MOX燃料集合体



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